米国ミシガン州プリマスの製造施設内には、Amazonのお客様に商品をお届けする未来の配送車モデルが展示されています。配送ドライバーのナターシャ・リギンズ(Natasha Riggins)さんが、安全・デザイン面で最新機能を備え、年間で何百万トン単位の二酸化炭素排出を抑制できるAmazonの新たな電気自動車(EV)を披露します。
パリ協定の目標を10年前倒して達成し、2040年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることを掲げているThe Climate Pledge(気候変動対策に関する誓約)の一環として、Amazonは持続可能な輸送に関連する車両、製品、サービスを開発する電気自動車メーカーで自動車技術企業のリビアン(Rivian)社に10万台の電気配送車を発注したことを発表しました。Amazonは、ドライバーの安全性水準を引き上げ、二酸化炭素排出量を削減しながら最高水準の運転体験も提供するカスタム配送車両を生産するために、そのバッテリーと車両設計の専門知識を活用しています。
Amazonのグローバルフリート&プロダクト部門の責任者であるロス・レイシー(Ross Rachey)は次のように話しています。
「私たちは考える順序を逆にして、ドライバーの観点から考えてみたかったのです。乗車した時から、運転中、駐車して商品を探しているとき、車から降りるときまで、それぞれの状況に合わせてカスタマイズ(仕様・設定)されています」
リビアン社の設計スタジオでは、車の外観と内装の縮尺模型を展示しています。カーモデラーは、原寸の粘土モデルの縁を滑らかにします。これは、車両が外側からどのように見えるか物理的に表したものです。また「パッケージバック」と呼ばれるもう1つの縮尺された模型からは、ひじ掛け部分から収納、視認性を向上するために設計された大きなフロントガラスまで、車両の内装がどのようなものか実感できます。
別の部屋には、「未来の運転席」にいるリギンズさんがいます。VR(仮想現実)のヘッドセットを装着し、自分が見ているものに満足をしているようです。リギンズさんは次のように話しています。「私はここでバッグを持っている自分のことがイメージできます。これは良いですね。本当に気に入っています」
2021年に発売を開始するAmazon新型車のデザインには、リギンズさんをはじめとする数十人のドライバーから提供されたフィードバックが反映されています。
技術者たちはAmazonの現在のガソリン車両に対して何ができるか、また何ができないかを理解するために車に乗って多くの時間を過ごしました。リビアン社のR・J・スカーリンジ(R.J. Scaringe)CEO(最高経営責任者)は次のように語りました。
「大切なことは電気だけではなく、あらゆる面から車をより良くしていくことです。新型車はドライバーのために設計されています。設計過程でフィードバックを受け、新しいことを学ぶたびに改善し、それらが反映されていることが認識できます。それを反復していくことが非常に重要です」
ガスを排出しない「ゼロエミッション」に加え、各車には高度安全技術と業界最高水準の機能として、自動緊急ブレーキ、前輪・全輪駆動オプション、車線逸脱防止支援システム、歩行者警告システム、交通標識認識、ドライバーの注意力散漫を検知する自動警告システム、そしてドライバーのサイズや重量に適応したシートベルトとエアバッグを搭載しています。
レイシー氏は次のように話します。「ドライバーがこの車両に乗ると、自分専用に車が設計され、安全面も配慮されている快適性を実感できます。持続可能なだけではなく、多くの性能上の利点もあります」
Amazon電気配送車のデザイン、機能性、安全性において、リビアン社はAmazonの商品を配送するドライバーの協力を得ました。
各車には、ドライバーが道路上で安全を確保するために必要とするすべての情報が搭載されています。リギンズさんはVRのヘッドセットを通じて、Amazonの物流管理と経路ガイドが統合されたデジタル計器群と中央ディスプレイ画面を見ることができます。組み込まれたマッピング(地図作成)技術と商品配送情報によって、追加の携帯用機器が不要になります。ドライバーはAlexa(アレクサ)に質問することも可能で、貨物室で商品を仕分けする際に音声コマンドを使うこともできます。
設計には耐久性に優れた素材を採用し、従来の配送車両より軽量、軽快さに長け、特に混雑した都市環境でも、よりスムーズな運転が可能となります。また、車内は商品を素早く取り扱いできるように最適化され、ドライバーの安全性を高める従来の開き戸式ドアがドライバー側に配置されています。後部の巻込式ドアは、より効率的な商品の積み下ろしをサポートします。
運転室から貨物室までの車両全体は、ドライバーの人間工学および機能的な需要を考慮して設計されています。温度管理された座席、ヒート機能があるハンドル、ひじ掛け部分には、エネルギー消費を削減するために設計された乗員・車内熱管理システムが搭載されています。
Amazonは、早ければ2022年には1万台の電気自動車、そして2030年までに10万台の電気自動車を路上で走らせることを計画しています。
この記事は2020年3月1日に米国版About Amazonで発表された記事を日本語に翻訳したものです。