Amazonが都市圏近郊での森林保全活動への支援を開始。東京・大阪・名古屋の三大都市圏の近郊で、最大20か所・計100ヘクタールの森林を再生

Amazonは、お客様や従業員の多くが暮らす地域コミュニティが豊かで、安全なものとなるように、世界各地でコミュニティとともにさまざまな活動に取り組んでいます。その一環として、このたび、Amazonは日本で森林再生・生物多様性の保全活動への支援を開始しました。
森の中を流れる川。木々の緑が広がっている。Amazonが森林再生活動の支援を開始した 群馬県桐生市・桐生川源流の森
このプロジェクトは、Amazonが2019年に自然環境の保全と再生に取り組むために設立した基金、Right Now Climate Fund(ライトナウ・クライメイト・ファンド)を通じた5年間で2億2,000万円の投資により、公益社団法人国土緑化推進機構と連携して、多くのお客様や従業員が暮らし、働く東京・大阪・名古屋の三大都市圏の近郊で、最大20か所・計100ヘクタールの森林の再生を支援していきます。Right Now Climate Fundによる日本への投資はこの取り組みが初となります。
竹林の中で空を見上げたところ。高く生い茂る竹の葉の隙間から青い空が見える。Amazonが森林再生活動の支援を開始した千葉県大多喜町の竹林
日本の森林は国土の7割を占めますが、その多くが手入れの不足や環境変化の影響でさまざまな課題に直面しています。一言で「森を守る」といっても、森林や里山ごとに違った課題が見えてきます。本プロジェクトでは、侵入種の除去、過密な森林の間伐、在来種の再導入などを通じて、それぞれの森に合ったやり方で回復を支援し、野生生物が生息・移動・繁殖するために必要な環境を取り戻します。
本プロジェクトの活動についてのは、動画でもご覧いただけます。

群馬県桐生市 ― 生き物のつながりを取り戻す、水源の森

群馬県桐生市。利根川水系の支流の一つである桐生川の源流にあたるこの森は、ふもとの地域さらには遠く離れた下流域へと水を届ける大切な水源林です。しかし、約30度の急な南向き斜面に立つ樹齢60年のスギの多くは、シカの食害で枯れ、雪の重みで折れたまま放置され、新しい木の成長や生き物の営みを静かにむしばんでいます。
薄暗い森の斜面を、明るいピンクの服を着た人物が登っている。群馬県桐生市の急斜面のスギ林
すでに活動を開始しているこの対象地域では、桐生川の源流域に沿って5.9ヘクタールの森林を再生しています。一部は水源涵養や落石防止のための保安林に指定されています。ここでの課題は、枯れた広葉樹や折れたスギがそのまま残り、新しい木の成長を妨げ、かつてそこにいた昆虫や動物に影響が及んでいることでした。
葉っぱが濡れた若木のアップ。ピンクのリボンで目印が付けられている。群馬県桐生市・桐生川源流の森の渓流と植生
そこでプロジェクトでは、区画ごとに過密な林分や台風被害を受けた林分を間伐し、選定した区域をコナラなどの在来広葉樹へ転換。川沿いに落葉樹を植えて光が差し込むようにすることで昆虫が増え、その虫を食べる渓流の魚が戻ってくる―そんなふうに、生き物のつながり全体を考えながら、少しずつ手を入れています。獣害防止ネットで若木や渓流沿いの生物種の回復を支援し、森林の健全性と、下流の地域社会のための保水機能をともに高めています。
森の斜面に立つ作業着姿の5人の人物。ヘルメットを着用、チェーンソーや植木用の鋏を持っている。斜面には切り株が多数。桐生市の森林所有者と活動にかかわる皆さん

千葉県睦沢町・大多喜町― 竹やぶを、子どもたちの秘密基地へ

千葉県の睦沢町と大多喜町は、都心からもアクセスが良く、豊かな自然が残るエリアです。ただ、人の手が入らなくなって竹がどんどん成長し、広がってしまっている場所がありました。
緑の木々が生い茂る森の中、木々の向こうに丸太で作られた建物が見える。睦沢町の「まっ白い広場」の竹林や森林風景
そのうちの一つ、睦沢町の子どもの遊び場「まっ白い広場」では、下草や古い竹を刈るなどして、子どもたちが安心して遊びに来て、自然について遊びながら学べる場所を整備しています。
木々が生い茂る森の中に作られたツリーハウス。下から見上げたところ。睦沢町の「まっ白い広場」のツリーハウス
この場所は、20年以上前に子どもたちの外遊びの場をつくる県の取り組みから生まれ、いまでは自然の遊び場として地元はもちろん東京など都市部からも多くの家族連れを迎えています。近くの瑞沢川にはサケ(鮭)の稚魚を放流する地元団体とも連携し、陸と水を行き来する生物種の動きを追跡するとともに、地域の子どもたちとその保護者にモニタリングへの参加を直接呼びかけています。
木々が生い茂る森を見下ろしたところ。森の中を小川が流れている。「まっ白いひろば」の横を流れる瑞沢川
一方、千葉県大多喜町でも、管理が行き届かなくなった放置竹林の手入れを進めています。繁茂しすぎた竹を間引くことで、安全な自然環境を取り戻しながら、タケやタケノコの健全な育成を支えています。
明るい日差しが差し込む竹林の中、電動のこぎりで竹を切断している若者。オレンジのヘルメットを着用。大多喜町の竹林の整備の様子

地域と自然をつなぐ

本プロジェクトは森林の再生にとどまりません。地域の実施団体が主体となって行う、ボランティアイベント、教育プログラム、学校訪問、大学院の研究、レクリエーション活動などを通じて、近隣に暮らす人々と自然の結びつきを強化する活動を支援します。
千葉県睦沢町の「まっ白い広場」は、まさにその象徴です。地元の運営団体が認定NPO法人 JUON(樹恩)NETWORKと協力して運営するこのコミュニティの森では、児童から家族連れまで、都市近郊の地域社会が身近な森とのつながりを取り戻していく様子が見られます。
明るい日差しが差し込む竹林の中、1本の竹を小型ののこぎりで切ろうとしている若者。白いヘルメットをかぶっている。睦沢町「まっ白いひろば」の整備の様子
本プロジェクトでは、こうした活動を通じて、小学生から大学生までの学生を含む市民2万人に対し、現地で体験型の環境教育プログラムを展開するなど、5年間で計7万2,000人の市民に自然と触れ合い、森林や自然の大切さなどを学ぶ機会を提供する予定です。
国土緑化推進機構の今泉裕治常務理事は、「日本の国土面積の約67%を占める森林は、現在、林業の不振を背景とする管理の担い手不足や動物の食害などさまざまな課題に直面しています。本プロジェクトは、Amazonのご支援により、学生を含む幅広い市民の参加を得て、三大都市圏の近郊及びその上流部の森林において生物多様性の回復を図り、地域住民・都市住民の生活環境の改善にも貢献しようとするものです。私たちの命を支える森林と自然を守り、育て、次代に引き継いでいく、そんな取り組みに、多くの市民の皆様がご参加いただくことを願っています。」と話しています。
森の木々や建築用の足場を背景に立つ作業着姿の男性国土緑化推進機構 常務理事、今泉裕治さん
アマゾンジャパン合同会社 社長 ジャスパー・チャンは、次のように述べています。
「このたび、国土緑化推進機構と連携し、地域の森林再生に向けて取り組むことができ、大変嬉しく思います。Amazonは、この取り組みを通じて、お客様が暮らし、働く地域の自然環境と生活環境を守り、次世代へつないでいくことにコミットしています。 健全な森林は、気候変動に対する強じん性の強化、生物多様性の保全、そして地域社会の生活の質の向上にとって不可欠な存在です。重要な森林生態系の再生に取り組むだけでなく、都市住民が自然とふれあい、地域環境の担い手となる有意義な機会を生み出す、このプロジェクトを支援できることを誇りに思います」

日本発の保全アプローチ

このプロジェクトでは、20か所すべてで、「OECM(Other Effective area-based Conservation Measures、国立公園などの保護地域以外で生物多様性の保全に貢献する地域)」の認定取得を目指します。これは2010年に名古屋で開催されたCOP10で日本が初めて提唱した枠組みです。本プロジェクトは、OECM認定の取得への貢献を通じて、2030年までに陸と海の30%を保全する日本の国家目標「30by30」の達成に直接貢献します。
また、活動の成果は環境スタートアップ企業が開発したAIを活用した生物多様性モニタリングツールで把握し、専門家による検証を経て、透明性の高い報告に努めます。完了時には、参加するすべてのサイトで植物種の多様性が向上する見込みです。
森の中、地表に落ちた木の枝や生えている雑草の緑の中に、きのこのかさが2つ見える。地表は濡れている群馬県桐生市のプロジェクトサイトの植生

グローバルな取り組みの一環として

2019年に立ち上げられたこの1億ドルの基金は、2026年2月に開始した地震の被害を受けたトルコ・アディヤマン県の生態系再生から、オーストラリアで進める絶滅危惧種ヒガシバーラウンドバンディクートなど複数の種の保護まで、世界各地の気候・生物多様性・地域社会に恩恵をもたらす取り組みを支援しています。本プロジェクトはそのポートフォリオの一環であり、Amazonにとって日本で初めての取り組みです。