2020年12月14日、アマゾンジャパン本社で「第6回 Amazon Academy」(アマゾンアカデミー)が開催されました。Amazon Academyは、社会や企業が抱える課題をテーマについて専門家を招き、産学官それぞれの立場から解決策を話し合うものです。
今回のテーマは「デジタル・トランスフォーメーションが拓く日本の未来」。
Amazon Japan Official YouTubeアカウントよりストリーミング配信され、ビジネスパーソン、起業家などが、オンラインで参加しました。
Amazon Japan Official YouTubeアカウントよりストリーミング配信され、ビジネスパーソン、起業家などが、オンラインで参加しました。
オープニングスピーチで、アマゾンジャパン ジャスパー・チャン社長は「Amazonとお客様のデジタル・トランスフォーメーション」と題してこう話しました。
「コロナ禍において多くの企業、事業主様、スタートアップは非常に大きな影響を受けています。一方、現状を変革の機会と捉え、活路を開いている事業主様もいます。広島県にあります創業100年以上の『タタミ工場こうひん』様は、お客様の在宅時間が増えたため、置き畳や防虫シートのニーズが高まりました。在庫管理や出荷を代行してくれるAmazonのサービスをご利用いただくことで休日も出荷でき、お客様のご要望にお応えいただけるようになりました」
アマゾンジャパン ジャスパー・チャン社長「教育分野では、Amazonの教育サービスを利用されるお客様が急速に増えており、リアルとデジタルの共存が今後、教育分野でも求められていくと思います。医療分野では、コロナ禍で規制が試験的に緩和され、オンライン診療でより多くの人々が安心して恩恵を受けるためにも、デジタル化によるクラウドのスケーラビリティが利用者急増への対応に役に立っています。そして物流拠点ではAWSの技術をソーシャル・ディスタンス対策に活用したDistance Assistantというツールによって、スタッフの安全対策を行っています。
Amazonは創業当初から変わらない『地球上で最もお客様を大切にする企業になること』というミッションを追求しながらサービスを展開してきました。この理念はコロナ禍でも変わることはありません。日本のデジタルトランスフォーメーション(DX)においても、生活者の皆さんや地域に寄り添い、日本政府、産業界、地域社会共通のビジョンの実現のために、どのようなテクノロジーが必要なのか、どういう規制を見直すべきなのか、という問いに答えつつ、産官学が連携して、取り組んでまいりたいと考えています」
Amazonは創業当初から変わらない『地球上で最もお客様を大切にする企業になること』というミッションを追求しながらサービスを展開してきました。この理念はコロナ禍でも変わることはありません。日本のデジタルトランスフォーメーション(DX)においても、生活者の皆さんや地域に寄り添い、日本政府、産業界、地域社会共通のビジョンの実現のために、どのようなテクノロジーが必要なのか、どういう規制を見直すべきなのか、という問いに答えつつ、産官学が連携して、取り組んでまいりたいと考えています」
続いて、平井卓也デジタル改革担当臣がビデオで、「デジタル庁は規制改革のシンボルでもあり、成長戦略の柱、そして『霞が関』のまったく新しいモデルとしてスタートさせたいと考えています。日本のDXは今まで進んできませんでした。官民とも出遅れたと言えます。これからはスピードが問われます。『Government as a Startup』」の気持ちで前進したいと考えています。2021年の通常国会で、IT基本法を20年ぶりに抜本改正し、新たにデジタル社会形成基本法として、これから我々が目指すデジタル社会を国民の皆様と共有できる法律にしていきます。最終的な目標は「デジタルを意識しないデジタル社会」です。デジタルテクノロジーが、いかに人に優しいサービスを提供できるかがポイント。高齢者や障害のある方をはじめ、すべての人にデジタルの恩恵を届けるため、サービスデザイン、つまりUI(ユーザーインターフェース)/UX(ユーザーエクスペリエンス)に徹底的にこだわりたいと思います。デジタル庁は役所のスタッフと民間技術者との新しいコラボレーションで構成します。人材が何より重要です。皆さんのお力をお借りし、ご意見を聞きながら、日本のDXに取り組んでまいります」とメッセージを寄せました。
デジタル改革担当大臣 平井卓也氏パネルディスカッションでは、衆議院議員自由民主党 青年局長でデジタル社会推進本部の牧島かれん事務局長、筑波大学 図書館情報メディア系 落合陽一准教授にチャン社長を加えた3名で、「デジタル・トランスフォーメーションが拓く日本の未来」について、議論を交わしました。
パネルディスカッションまず、牧島氏が「デジタル社会推進本部、事務局長として」、また、落合氏が「ウィズコロナのDXと研究」と題し、それぞれ現在の活動状況を紹介した後、「日本のDXの現状、これまでの問題点」をテーマに議論を開始しました。
牧島氏は、「『デジタル敗戦』。デジタルの戦いに日本は負けてしまったという危機感です。一つは、定額給付金のオンライン申請の問題。もう一つはコロナ陽性者の報告での混乱です。コロナ禍で出てきた課題で、今まで気づいてきたことがすべて浮き彫りになりました」と厳しい認識を示しました。
衆議院議員 自由民主党青年局長 デジタル社会推進本部事務局長 牧島かれん氏続いて、落合氏は「本当であれば3次元のバーチャルリアリティで、もっとフィジカルなコミュニケーションができたはずですが、我々がデジタル移行したのはオフィスだけでした。人間の本質的な欲求はあるので、そこを同時に考えないといけません」と指摘しました。
最後に、チャン社長は「コロナ感染拡大以前の日本では、さまざまな関係者の間でDXに関し、ミッションが十分に共有されておらず、その現状に疑問も持たず、課題も明確にしないままできたように感じます。その結果として、なかなか大きな成果が生まれなかったのではないでしょうか」と問題点を指摘しました。
次に、「DXを通じて目指すべきデジタル社会(ミッション、ゴール)とは」をテーマに議論を進めました。
落合氏は「フットワークが軽い産学連携により、DXに対して、早くトライアルを回していくことが重要」と述べました。
筑波大学 図書館情報メディア系 准教授 落合陽一氏牧島氏は、アジャイル開発に新たに挑戦することやAPI連携、UI(ユーザーインターフェース)/UX(ユーザーエクスペリエンス)、民間からのサービス提案に言及した上で、「『デジタル庁』がミッションではありません、『「誰一人取り残さない』。これがミッションです」と強調しました。
チャン社長は「テクノロジー活用ありきではなく、日本にいらっしゃる生活者の目線で目標とする社会を検討し、そこからさかのぼって、その実現のためにどのようなテクノロジーが必要なのか、どういう規制の見直しが必要なのか、というように課題を洗い出して取り組むことが重要です。今はオンライン診療やオンライン服薬指導が解禁されていますが、あくまでも時限的な措置。規制改革会議で取り上げられているように、恒久的に解禁されていく必要があると考えています」と要望しました。
アマゾンジャパン ジャスパー・チャン社長規制改革について、牧島氏も「テクノロジーがないときに作られた法律やガイドラインについては、見直さないといけない時期に来ています。法律の解釈というところも検討課題として取り組まないといけません」と歩調を合わせました。
最後のテーマ「目指すべきデジタル社会をどのように実現するのか」に移り、議論を深めました。
チャン社長は「ダイバーシティ豊かな社会こそが、デジタル社会の実現の鍵となります。そして、DXを推進していくにあたっては、テクノロジーを活用し、イノベーションを生み出せる人材の育成が非常に重要で、組織、企業文化を抜本的にゼロから考えることが大切です。多様な人材が持つ能力が最大限に活かせ、仕事ができる環境を提供することがイノベーションにつながると考えています」と語りました。
続いて、牧島氏は「テクノロジーを生かしながら、子どもたちを見守っていく、暖かい社会を作っていくときに、住民の皆さん、民間の方の力が必要です」と官民連携を強調しました。
落合氏は、テレビ会議システムや自動翻訳、自動文字起こし、自動読み上げなどのツールを活用することで、障害のある方たちの認知能力、視聴覚能力などを補完することができることに言及した上で、「『人間中心のデジタル社会』ではなく、『デジタル中心の人間社会』であるべき」と、「多様性に対する社会の包摂性をデジタルで解決する」という持論を紹介しました。
パネルディスカッション最後に、参加者の皆さんへのメッセージとして、牧島氏は、「私たちが目指しているのは、『平時の便利』、『有事の安心』。これを一つ一つ細分化させて、アクションにしていくためには、官だけでできるわけではなく、国民皆さまの力が必要です」と協力を求めました。
落合氏は「地域経済に貢献していくには、地域の資本を地域に戻すこと。そうしたことは官だけでは絶対うまくいかない。どうやってエコシステムをデザインするかというと、オープンなプラットフォームとは何なのかを考えないといけません」と指摘しました。
チャン社長は「イノベーションを起こすために必要な3つの要素として、『お客様へのこだわり』『失敗を恐れず、失敗から学ぶこと』そして、『共有、共感、行動が必要』」を取り上げました。
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