シアトルのダウンタウン中心部に位置するThe Spheres(スフィアーズ)*は、都会の喧噪の中にグリーンのオアシスを創り出しています。3つのドームの中には、滝、水槽、そしてユニークなワークスペースのある4階建ての施設が入っています。すべてがシアトルのピュージェット湾地域にあるAmazon本社の一部です。
*Sphereとは英語で球体という意味です

Amazonは2015年にこの施設の建設を開始し、2018年にAmazonで働く人々に向けて自然を感じる作業空間を提供するために開放しました。The Spheresは、予約制で一般の訪問者や地域住民にも公開されています。

大きなガラスでできた球状の建物の前の芝生でくつろぐ人たち

私たちは、The Spheresの不動産・設備管理者マネージャーであり、植物を愛してやまない園芸家でもあるジャスティン・シュローダー(Justin Schroeder)さんに会いに行きました。彼は建設当初からこの施設の開発と運営をサポートし、著名人や、ニュージーランド、コロンビアなどの世界のリーダーたちのためにツアーを行ってきました。

メガネをしたあごひげのある男性。ジャスティン・シュローダーさん
The Spheresの不動産・設備管理者のジャスティン・シュローダー(Justin Schroeder)さん
Lucas Jackson

彼が紹介してくれたThe Spheresの見どころをご紹介しましょう。

1. 賑やかなシアトルの街中にある約5500平方メートルのガラス製ドーム

The Spheresの外観には、中に入る前から目を奪われます。シュローダーさんによると、建物の丸い形状のおかげで、植物にさまざまな角度から日光が当たるのだといいます。これは自然界にある形状を模したものです。

施設の壁は2643枚以上のガラス板で構成されています。毎晩、作業員がThe Spheresの側面を降りながら、窓の一部を清掃します。すべてをきれいにするには数か月ほどかかり、その後、また同じサイクルが繰り返されます。

@SeattleSpheres(Instagram)より

2. 生きているシャンデリア

2023年6月3日、The Spheresの5周年を祝う催しが開かれました。このイベントを記念して、Amazonは新しく制作した「生きているシャンデリア」を公開し、6月末まで展示しました。 

この吊り下げ型の照明装置は、Amazonの社内園芸家チームによって制作され、訪れた人々にかつてない体験を提供しました。自然とのつながりを感じさせる体験を提供するプロトタイプで、土の代わりに不活性繊維を使うことで、苔むした枝のような状態を作り出しました。

テラス席の横の吹き抜け部分にブーケ状に形作られた無数の植物が天井から吊り下げられている。
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3. 屋内に設置された滝

The Spheresに入ると最初に目にするのは壮大な滝です。施設内にはいくつか滝がありますが、これが最も大きなものです。滝の石材はワシントン州東部の採石場から調達したもので、都市の中心にアウトドアの雰囲気をもたらしています。

階段に沿って作られた小さな滝とシダ植物
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4. 北米最大級の「生きている壁」

施設に上がる階段を登ると、巨大な植物の壁が目の前に広がります。The Spheresには北米で最も大きな屋内の「生きている壁」があり、約370平方メートルのメッシュパネルを使って、200品種の植物2万5000株を育てています。

この壁はデザイナーのベン・エイベン(Ben Eiben)さんと彼のチームによって創られ、300枚以上のパネルが手作業で設置されました。植物のほとんどは5年前のオープン時に植えられたものがそのまま使われています。

園芸家たちは、高さ約20メートルの壁の頂上から下降しながら植物の世話をします。シュローダーさんは、「最初は少し怖かったけれど、わくわくする仕事だよ」と話してくれました。

Lucas Jackson
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5. 南米アマゾンの熱帯雨林から来た魚

The Spheresといえば植物が注目されますが、ここは他の生き物たちのすみかでもあります。施設内には世界各地から集められた珍しい魚が飼われた水槽があります。1階の大水槽では、南米アマゾンの熱帯雨林から来た魚を見ることもできます。Amazonでは、動物行動学の博士号を持つ専門家を雇い、それぞれの水槽内の環境を設計し、魚たちが幸せで健康に暮らせるように、継続的なケアを行っています。

水槽に泳いでいる南米からの魚は子供に見られている。
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6. 世界30か国以上から集められた4万株を超える植物

The Spheresでは、世界30カ国以上から集められた1000種以上の植物が4万株以上も育てられています。これらの植物はすべて、シアトルから約30キロ離れた郊外の温室で育てられた後、The Spheresの中に移植されます。

これらの植物の選択と、生育に必要な環境の整備は、多くの専門家によるチームワークの成果です。6人の園芸家が毎日ここに来て、植物に日常的な世話をしています。また、15人以上の園芸家のチームが、The SpheresやAmazon本社の他の建物に植える植物の選定を行っています。シュローダーさんによると、訪問者にも快適な環境の中で育ちやすい、比較的涼しい熱帯地域の植物が選ばれることが多いそうです。

Lucas Jackson
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7.高さ20メートルの「ルビ」の木

The Spheresの最大の住民は、重さ約18トン、高さ約20メートルの「ルビ」と呼ばれる大木です。この木は通称「フランスゴムの木」と呼ばれており、カリフォルニアから約1900キロの道のりを旅してThe Spheresにやってきました。

 ルビは3日間の旅を経てシアトルに到着し、屋根の一部を取り外してクレーンでThe Spheresの中へ降ろされました。それから数年、ルビは力強く成長を続け、根は地表から約1.5メートル下にまで伸びています。

Lucas Jackson
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8. 空中7.6メートルの散策路

キャノピーウォーク(The Canopy Walk)と呼ばれる木製の歩道は、The Spheresの床から7.6メートルの高さに浮かんでいます。歩くと板が足下で動き、ロープのつり橋を渡っているかのような感覚を味わえます。この歩道は「ルビ」をぐるりと囲む形で設置されており、木とその周辺を一望することができます。歩道の途中には、仕事中に立ち寄って、景色を楽しむことができるスポットもいくつか設けられています。

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SeattleSpheres (Instagram) より

9. 人間サイズの鳥の巣

キャノピーウォークの途中でぜひ立ち寄りたいのが、「バードケージ」と呼ばれる人間サイズの鳥の巣です。ツリーハウスを思わせるこのユニークな空間は2.4 × 3メートルほどの大きさがあり、硬木材であるハリエンジュで作られています。ハリエンジュは持続可能な木材として知られ、施設内のすべての木造建造物で使用されています。

鳥の巣の床には青いガラスのボールが設置されており、下のフロアから見上げるとちょうどコマドリの卵のように見えます。

Lucas Jackson
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人間サイズの鳥の巣の床には青いガラスのボールが設置されている
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10. 究極のリラクゼーションスペース

The Spheresの3階には、ラウンジチェアが置かれた静かなコーナーがあり、日差しの中でゆったりとくつろげるようになっています。この場所はThe Spheresの中で最も日当たりの良い場所であり、サンデッキと呼ばれているそうです。

プールサイドチェアがサークル状に並べられたエリアに立つ見学者。女性は植物フェンスを指差している
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11. 自然光に合わせて調整される150個以上の照明

建物内には150個を超える照明があり、植物に必要な光が確実に当たるように配置されています。感光セルが自然光に合わせて照明を自動で調整し、曇りの日は明るく、晴れの日は暗くなるよう設計されています。

人にとって快適な環境になるように、施設の窓には赤外線と紫外線を遮断するガラスが使われています。そのため、中の照明は、植物の生育に必要な赤色と青色の光を補うように設計されています。

下から見える三角の組み立てやガラス天井にたくさんランプ。その周りはたくさん木、外には高いビル。
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12. 高度な換気システム

The Spheresでは、新鮮な空気の循環を保つため、高度な換気システムを採用しています。シュローダーさんによると、施設内にはおよそ4万2500立方メートルの空気が存在します。建物の最上部にある通気口が空気を下の階へと循環させ、その後屋外へ排出することで、絶えず空気が循環するようになっています。晴れた日には、1時間に最大6回も空気が入れ替わることもあるそうです。

メガネをかけた男性は植物壁に丸いベントを指差している。
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13. 心安らぐワークスペース

The Spheresのいたるところにブースやテーブルが設置され、Amazonで働く人たちが自然に囲まれながら仕事ができる空間を提供しています。中にはモニターやキーボードなどのハードウェアを持ち込んで、本格的な作業空間を整える人もいると言います。 

Lucas Jackson
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14. 没入感を高める石造りの小路

ブースやテーブルから緑を眺めるのは良いものです。ですが、自然の中に身を置きたいという人のために、The Spheresには歩道も設けられています。水が流れる石造りの小路では、自然の中を散策しているかのような感覚を味わえます。

屋内に作られた小さな滝の水の上に小さな石畳の道でカビが生えた。
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15. あらゆる質問に専門家が対応

The Spheresにはピンクのシャツを着た専門家が訪問する人たちを出迎え、質問に答えてくれます。彼らとの会話から、自宅での植物の手入れに役立つヒントをもらって帰っていく人もいるそうです。

豆知識:毎日およそ60~70人がThe Spheresで働いており、日中は訪問する人たちに対応したり、夕方には翌日の準備をしたりしています。

ピンクシャツを着た男性と女性は植物壁を見上げる。
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16. 無料のバナナ

散策していると、おなかが空いてくるかもしれません。でもご心配なく。The Spheresは、その辺もぬかりはありません。建物の外にあるコミュニティバナナスタンドで、親切な「バニスタ(番人)」に声をかければ、無料のバナナをもらうことができます。

ガラスドーム(ザ・スフィアーズ)の前には銀色のバナナスタンドミニバン。
Lucas Jackson


The Spheresを訪れるには

The Spheresは、月曜から金曜までAmazonで働く人たちとゲストに向けて開放されています。毎月第1・第2土曜には、予約制で、一般にも公開されています。

都会のジャングルを体験してみませんか? Amazon The Spheres見学のためのガイド

見学の予約の手順はこちらからご確認いただけます。@ SeattleSpheres(Instagram)でも、最新ニュース、写真、情報をチェックできます。

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