1994年、Amazonの創業者ジェフ・ベゾスはワシントン州ベルビューの自宅ガレージに最初の「オフィス」を開設しました。今ではそのガレージよりも少しばかり広いスペースが必要ではありますが、Amazonは変わらずホームタウンに強い愛着を持っています。ワシントン州ピュージェット湾に面する地域にあるAmazon本社のキャンパスには、シアトル、ベルビュー、レドモンドに建つ複数のオフィスビルのほか、The Spheres（スフィアーズ）、アマゾン ウェブ サービス （AWS）スキルセンター、ホームレス生活を余儀なくされている人々を受け入れるシェルターMary’s Place（メアリープレイス）など、地域コミュニティのためのさまざまな施設が設けられています。
シアトルにあるAmazon本社のキャンパスの中心に位置する象徴的なビルDay 1（デイワン）で仕事をしながら、このキャンパスにある興味深い施設をいくつか訪れました。これから、Amazonの本社を創造とイノベーションの中心にしているユニークな空間と機能を見ていくことにしましょう。
シアトルのAmazonの本社オフィスの1日は、通勤から始まります。Amazonは、無料の公共交通機関や、自転車の購入とメンテナンスのための手当てなど、通勤をより持続可能で便利なものにするさまざまな特典を用意しています。
私は自転車通勤者なので、Amazon本社のDay 1（デイワン）ビルのなかでは自転車置き場が特にお気に入りです。パンク修理ステーションや電動自転車用の充電ステーション、そしてさっぱりとして1日を始めるためのシャワーやロッカーといった設備が充実しています。
Amazonのピュージェット湾地域のオフィスでは犬の同伴が許可されています。ふわふわむくむくの友達を登録すれば、オフィスに連れてくることができるのです。受付カウンターでは、彼らが1日をご機嫌にスタートできるように、犬のおやつも配っています。
バッジをスキャンして入館ゲートを通過すると、テラリウムとアクアリウムが組み込まれた緑豊かなリビングウォール（緑化された壁面）が出迎えてくれます。出社のときに立ち止まって、魚たちの様子をチェックするのが私の楽しみです。
もちろん、朝のコーヒーは欠かせません。Day 1ビルにはコーヒーショップがあり、特製ドリンクや、ペストリー、おいしい軽食がそろっています。
近くにはゆったりと座れるスペースもあり、コーヒーや朝食をとりながら1日の最初のミーティングを行うのにぴったりのスポットとなっています。
Day 1ビルでの勤務で気に入っていることの1つに景色があります。ワークスペースからは街を一望でき、ピュージェット湾やユニオン湖、スペースニードルなど、シアトルの名所を眺めることができます。
また、ビルのいたるところに防音の電話ブースがあり、その場ですぐに電話に出ることができるのも便利です。
そしてもちろん、チームでのコラボレーションが必要なプロジェクトのために、会議室がいくつも設けられています。
ランチタイムには、おいしいメニューの揃ったカフェテリアで、作りたてのサラダ、ラーメン、サンドイッチなどを食べることができます。私のお気に入りは、甘いクルミがたっぷり入ったオリジナルのサラダです。
カフェテリアにあるインスタレーション作品や壁画も気に入っています。たとえば、通路が青いネオンの光で照らされていたり、壁にジミ・ヘンドリックスとジャニス・ジョプリンの絵が描かれていたりする場所もあります。
1階には地元の素敵なレストランが立ち並んでいます。プ―ジェット湾周辺のAmazon本社全体で、50を超える店舗が入っています。おいしいグレインボウル（玄米などの穀物をメインにしたサラダ）を食べたいと思ったら、AnarのMujadaraボウルがおすすめ。この店は、Day 1とThe Spheresに隣接するDoppler（ドップラー）ビルの近くのBreezeway（ブリーズウェイ）にあります。
シアトルは雨が多いことで知られていますが、だからこそ晴れの日が特別だと感じられるとこの街で暮らす人々は言います。天気が良い日には、多くの社員たちがDay 1ビルの前にある芝生のあるスペースに出て同僚と一緒に食事をしたり、くつろいだりします。ここでは、夏の間、地域の人々や訪問者向けに無料のイベントも開催されます。
この場所にはAmazonのコミュニティバナナスタンドがあり、Amazonの社員や地域住民などが立ち寄って、誰もが新鮮なバナナを無料で受け取れるようになっています。オフィスに出勤してくる犬の多くも、飼い主と同じようにバナナスタンドがお気に入りです。
犬たちに人気のもう1つのスポットが、充実したドッグランです。ここには、犬たちが昼休みにエネルギーを発散できるように、消火栓、芝生、水浴びができるホースなどの設備が整えられています。ご覧のとおり、ジョーイのお気に入りはホースです。
ジョーイの飼い主にとって幸いなことに、Dopplerビルには犬たちの足洗い場があり、オフィスに戻る前に犬の足をきれいにすることができます。
仕事に戻る前にリフレッシュしたいときは、Day 1ビルの最上階がぴったり。ゲーム施設や、仲間同士で集まれるスペース、そしてシアトルの素晴らしい景色を楽しむことができます。
午後に仕事が煮詰まったときは、気分を変えるために、キャンパス内のユニークなワークスペースのどこかへ向かいます。お気に入りのスポットの1つが、Day 1ビルを出てすぐの場所にあるThe Spheres（スフィアーズ）です。ここには5万5000平方フィート（約5100平方メートル）を超える静かなスペースがあり、さまざまな植物、樹木、アクアリウム、テラリウムに囲まれて仕事ができるようになっています。
また、1階のリビングルームも、仕事やブレインストームにぴったりの快適な場所です。カラフルな部屋がクリエイティビティを刺激してくれるうえ、快適な椅子と十分な作業スペースも備わっています。
リビングルームの隣の読書室には、本物のペーパーバックで作られたユニークなアート作品があります。ここに使われている本はすべて、所有者が処分しようとしていたものです。それをリサイクルして、クールなアート作品を作ったというわけです。
まだ詳しく見ていないユニークなワークスペースの1つに、Doppler（ドップラー）ビルの中のハリー・ポッター・ルームがあります。また機会を見つけて詳しくチェックするつもりです。
1日の終わりには、多くのチームがハッピーアワーを一緒に過ごすために、オフィスビルにあるテラスに集まってきます。
帰宅直前のこの頃、私は夕食のプランを練ろうと、Day 1ビルの地上階にあるAmazon Goストアに向かいます。レジに並ぶことなく支払いを自動で行えるJust Walk Outテクノロジーを使えば、仕事帰りに食料品店の列に並ばなくても済みます。
夜になると、歩道沿いとThe Spheresの中に照明が灯り、帰宅する人たちを見送ってくれます。
Amazonのほかのオフィスも見てみたいという方は、ロサンゼルスの歴史あるカルバーシティキャンパスをぜひチェックしてみてください。
この記事は、2023年7月25日にアメリカ版のAbout Amazonに掲載された記事を翻訳したものです。