いよいよ本格的な秋の行楽シーズン到来です。お出かけや人と会う機会も徐々に増えつつあるのではないでしょうか。
毎日を健康に安心して過ごせるように、日頃から体調管理に気を配りたいものです。

そんな私たちの心強い味方となってくれるのが、新型コロナウイルスの抗原定性検査キット。新型コロナウイルスに感染しているかどうかを自宅で簡単にセルフチェックできます。2022年8月31日には国の承認を受けた一般用検査薬のインターネット販売が解禁され、Amazon.co.jpでも取り扱いを開始しています。

そこで今回は、新型コロナウイルスの抗原定性検査キットに関する8つの疑問について、Amazonで薬剤師として勤務する梶谷亜沙子さんに聞きました。梶谷さんは、Amazonが販売しているOTC医薬品に関してお客様からのお問い合わせに対応している薬剤師の1人です。

白衣を着た梶谷さん
薬剤師 梶谷亜沙子さん


疑問① 抗原定性検査とはどういうものですか? PCR検査との違いは?
疑問② 一般用? 研究用? どれを選べばいいですか?
疑問③ Amazonで販売している抗原定性検査キットは調剤薬局で販売されている検査薬と同じものですか?
疑問④ 第1類医薬品をインターネットで購入できるのですか?
疑問⑤ メーカーによって使用方法や精度は異なりますか?
疑問⑥ どのタイミングで検査すればいいですか?
疑問⑦ 陰性反応は陰性証明になりますか? 陰性でも症状が続く場合は?
疑問⑧ 陽性反応が出たらどうしたらいいですか? 次にとるべき行動は?


疑問① 抗原定性検査とはどういうものですか? PCR検査との違いは?

梶谷さん:抗原定性検査とPCR検査のどちらも新型コロナウイルスを検出する検査です。現在感染しているかを確認できます。抗原定性検査とは、新型コロナウイルスが持つタンパク質の抗原を検出する検査方法です。検査キットには人工的に作られた抗体というタンパク質が入っているのですが、鼻や唾液から採取した検体に、新型コロナウイルスの抗原が含まれていると反応が起こり、ウイルスを検出できるという仕組みです。

この抗原抗体反応を起こすためには、ある程度のウイルス量が必要なので、症状がないときに使用した場合は結果が正しく出ない可能性があり、PCR検査よりも精度が低いといわれています。しかし、検査方法は簡単で、10~15分程度で測定することができます。

一方でPCR検査とは、ウイルスのDNAを検出する検査方法です。微量なウイルスでもDNAを増殖させて検出することができるため、感度は抗原定性検査よりも高いです。しかし、温度の管理や検出するための装置が必要なことから、病院や検査機関での検査となります。

両者は調べる対象や原理が異なるため、単純に優劣を比較することはできませんが、いつでもどこでもセルフチェックできる「手軽さ」は、抗原定性検査のメリットですが、無症状の場合は正しい結果が得られない可能性がある点がデメリットと言えそうです。現在の症状に合わせて、使い分けをすることが大切ですね。

現在治療中のご病気があったり、風邪のような症状が長く続いている場合、症状が重い場合は抗原検査キットを用いたセルフチェックではなく、医療機関へ受診し、医師の指示のもとPCR検査を受けられるほうがよろしいかもしれません。

抗原定性検査の特徴

  • オンラインストアや薬局で購入できる
  • 自分で簡単に検査できる
  • 測定時間が短い(10~15分程度)
  • PCR検査より精度が劣る
  • 無症状者への使用は推奨されていない

PCR検査の特徴

  • 病院や検査機関での検査が必要
  • 測定に時間がかかる(約1〜3日)
  • 抗原定性検査より精度が高い
抗原定性検査キットのテストデバイス

疑問② 一般用? 研究用? どれを選べばいいですか?

梶谷さん:「体外診断用医薬品」として国が承認した抗原定性検査キットと、国の承認を受けていない「研究用」の抗原定性検査キットがあります。体外診断用医薬品の抗原定性検査キットは、新型コロナウイルス感染の有無を調べる目的で使える性能であることが国によって確認され、医療現場でも同等のものが使用されています。一方で研究用の抗原定性検査キットは、性能などが確認されていません。

国が承認した一般用の抗原定性検査キットには、「体外診断用医薬品」または「第1類医薬品」と明記されています。購入の際は必ずご確認ください。

疑問③ Amazonで販売している抗原定性検査キットは、調剤薬局で販売されている医療用の抗原定性検査キットと同じものですか?

梶谷さん:こちらはお客様から一番多くいただくお問い合わせですが、医療用の抗原定性検査キットがOTC化されたものが一般用の抗原定性検査キットですので、両者は同じものです。以前は医療機関で医師が使用したり、薬剤師のいる薬局でしか購入できませんでしたが、医療機関のひっ迫をやわらげるため一般用検査薬として承認され、2022年8月31日からはインターネットでの販売が解禁されました。

疑問④ 第1類医薬品をインターネットで購入できるのですか?

梶谷さん:以前は薬剤師が常駐する薬局でなければ販売することができなかった第1類医薬品ですが、2014年6月からインターネットでの販売が行えるようになりました。Amazonでは、薬局での対面販売と変わらないきめ細やかなサポートができるような販売体制を整えています。9時から18時の時間内であれば、薬剤師への問い合わせも可能です。わからないことや不安なことは遠慮なくお尋ねください。

個包装されている抗原定性検査キットの中身

疑問⑤ メーカーによって使用方法や精度は異なりますか?

梶谷さん:現在、日本で承認されている一般用抗原検査キットは4種類。鼻から採取した検体で検査するタイプと、唾液から採取するタイプがあります(2022年9月30日現在)。どれも国から承認を受けているので、精度の差はありませんが、検査の操作方法や待ち時間については若干の違いがあります。Amazonの商品ページでは、使い方についてイラストで確認できるようになっています。わかりやすいと思った商品をお選びいただければと思います。
※2022年9月30日現在でAmazon.co.jpでお買い求めいただける一般用抗原検査キットは2種類です。

主な使用方法は「①鼻や唾液から検体を採取する ②検体を調整液が入っているチューブへ浸す ③調整液をテストデバイスへ滴下する ④判定」の4工程です。メーカーによってチューブへ浸す方法や調整液を滴下する滴数など、若干異なります。

疑問⑥ どのタイミングで検査すればいいですか?

梶谷さん:抗原定性検査は受けるタイミングが大切です。症状がある場合については、ウイルス量の多い発症後2日目から9日目に検査をしていただきたいです。

症状が無い場合、たとえば、身近にいる人が新型コロナウイルスに感染した場合などは、あくまでセルフチェックとして使用することは良いと思います。ウイルス量の少ない時期には、陽性であっても陰性の判定が出る「偽陰性」の可能性もあります。症状が無い場合でも引き続きマスクを着用し、消毒をしっかり行うなど感染対策を続けることが重要です。

疑問⑦ 陰性反応は陰性証明になりますか? 陰性でも症状が続く場合は?

梶谷さん:抗原定性検査による検査結果は陰性証明として使用することができません。理由はウイルスが体に存在していても、ウイルスの量が少ないと陽性と判定されず、陰性と判定されてしまう「偽陰性」の場合があるからです。

陰性反応でも発熱や咳などの症状が続く場合は、もう一度検査を行うか、Amazonにお問い合わせいただいた場合は、お電話でお話をお聞きしながら、重症化のリスクがある場合やほかの感染症が疑われる場合には、医療機関へ受診いただくようにお伝えしています。

陽性と陰性のイメージ

疑問⑧ 陽性反応が出たらどうしたらいいですか? 次にとるべき行動は?

梶谷さん:お住まいの自治体の案内に従って、医療機関で受診してください。自治体によって対応が異なるため、Amazonではお客様からお問い合わせがあったときは、お住まいの地域をお聞きして、一緒にネットなどでお調べしてご案内することもあります。

抗原定性検査キットでセルフチェック

多くのお客様からのさまざまなお問い合わせに対応してきた梶谷さん。最後にアドバイスをいただきました。

梶谷さん:これから冬に向けて、新型コロナウイルスの感染が拡大する可能性も懸念されています。のどの痛み、発熱、咳、倦怠感などの症状が出ている場合、医療機関へ受診する前に抗原定性検査キットでセルフチェックすることが当たり前になれば、医療関係者方の負担が減るだけでなく、感染拡大も抑えられるのではないかと思います。Amazonで抗原定性検査キットを取り揃えることが、その一助となれば幸いです。

Amazonでは、抗原定性検査キットをはじめとする第1類医薬品を24時間いつでも注文することができ、必要があれば常駐の薬剤師さんと直接電話で話すこともできます。

Amazonで販売している抗原定性検査キットについて詳しくはこちら

そのほかのAmazonのニュースを読む