Amazonは、Climate Pledge Fund(気候変動対策に関する誓約のための基金)が新たに、持続可能なテクノロジーの開発に取り組む企業への投資を行うことを発表しました。今回投資を行うのは、電気自動車の充電技術を開発するResilient Power、使い捨てのプラスチックの梱包材を不要にする、カスタムサイズの箱の製造技術を持つCMC Machinery、超低炭素のエレクトロフューエル(e-fuel)企業であるInfiniumの3社です。
今回の3社を加えると、Climate Pledge Fundによる投資先企業は11社となりました。いずれも低炭素経済への移行を促進する先駆的な製品やサービスを手掛ける企業です。
Amazonのワールドワイド・サステナビリティ担当バイスプレジデントのカラ・ハースト(Kara Hurst)は次のように話しました。
「AmazonはClimate Pledge Fundを通じて、革新的な技術に投資していることを誇りに思います。今後も引き続き、低炭素経済への移行の加速化に貢献する、独自の強みを持った革新的な企業を探し、特定していきます。対象企業はさまざまな業界にわたっており、AmazonとGlobal Optimismが共同で立ち上げた『The Climate Pledge(気候変動対策に関する誓約)』の目標達成のための新たな道筋を与えてくれます。『The Climate Pledge』は、パリ協定の目標を10年前倒して2040年までに企業が二酸化炭素排出量の実質ゼロ達成を公約する制約です」
Climate Pledge Fundは、The Climate Pledgeの目標達成を加速できる企業に投資します。The Climate Pledgeにはこれまでに世界で200以上の企業が署名しています。このファンドは、Amazonを始めとする企業が二酸化炭素排出量の実質ゼロ化を加速することが可能となる製品や技術、サービスを開発する企業を支援する、20億ドルのベンチャー企業投資プログラムです。
Resilient Power (RP)は、トランスフォーマーをベースとした効率的かつ効果的な電気自動車(EV)用充電技術を開発しています。RPの技術により、電気自動車用急速充電インフラ設備は、従来の10分の1の大きさ、時間で設置できるようになります。また、この技術を活用することで、1度に最大24台のEVの充電が可能になり、莫大な費用をかけて配電網をアップグレードする必要はなくなります。
Climate Pledge Fundは、RPへ初回の投資を行うことで、RPの技術が2030年までに10万台の電気配送車を配備するというAmazonの目標達成に向けたひとつのステップになると考えています。RPの技術は、Amazonが今後配送用EV車両の配備を拡大してくうえで、また、お客様に商品を配達するために迅速な車両の充電を可能にする可能性を秘めています。
Resilient PowerのCEO、トム・キースター(Tom Keister)氏は次のように語りました。
「交通機関の電動化に伴い、配電網を危険にさらすことなく、充電ステーションを大規模に展開していく方法を考えなければなりません。電気自動車を運用する企業にとっては、信頼性の高いEV用急速充電器が利用できることが必要です。AmazonのClimate Pledge Fundとのパートナーシップによって、当社はお客様が必要とするインフラストラクチャを構築してEVの普及拡大に貢献し、その後、他の再生可能エネルギーやストレージ、マイクログリッド市場にも当社の技術を拡大していくことができます」
CMC Machinery
CMC Machineryは、注文ごとに、商品のサイズに合わせて箱を設計・製造する技術を持っています。正確なサイズのパッケージを実現することで使い捨てのプラスチック緩衝材が不要になり、しかも運搬中にしっかりと商品を保護します。
Amazonではこの技術の活用により、2022年末までに荷物1個あたりの体積を平均24%削減して、約10億枚のプラスチック製エアークッションの使用を削減できると予想しています。
CMC MachineryのCEO兼戦略事業開発ディレクター、フランチェスコ・ポンティ(Francesco Ponti)氏は次のように話しました。「今回の投資により、当社とAmazonの長年のパートナーシップは一層強化され、eコマースのパッケージが環境に与える影響を低減するという共通の取り組みをさらに強化していくことができます。当社の技術はThe Climate Pledgeを活性化させると自負しており、カーボンニュートラルな未来に向けて貢献できることをうれしく思います」
Infinium
Infinium は、Infinium Electrofuels(エレクトロフューエル)として知られる再生可能燃料技術を開発しました。化石燃料をベースにした従来のディーゼルやジェット燃料の代替として、エレクトロフューエルは超低炭素で、航空機や船舶、大型トラックなどの燃料に使用できます。Infiniumの技術は、再生可能エネルギー由来の電力をグリーン水素に変換し、この水素と二酸化炭素廃棄物を利用することで超低炭素燃料を生成します。この新たな燃料によって、荷物の配送のために、化石燃料を使用しない輸送ネットワークへの移行に向けたAmazonの取り組みを加速することができます。
Amazonは気候への負荷が少ないソリューションを市場に投入するために、今回、Infiniumへの2度目の投資を行いました。今回の投資により、業界初のInfinium Electrofuelsの提供をサポートし、エレクトロフューエルの大規模設備を開発して、年間約4000万ガロンのクリーン燃料の生成を可能にします。施設ではそれぞれ、大気中に排出されるはずだった二酸化炭素を30トン以上を削減します。EPA Greenhouse Gas Equivalencies Calculatorの試算によると、これだけでも、生育に10年かかる樹木を500万本近く植えたることに相当します。
Climate Pledge Fundについて
Amazonは2020年に、持続可能な脱炭素化技術やサービスの開発を支援するために、Climate Pledge Fundを設立しました。この基金は、低炭素経済への移行促進に貢献する製品やソリューションを開発する、先見性のある企業に特化した投資プログラムです。
Amazonはすでにこれまで、CarbonCure、Pachama、Redwood Materials、Rivian、TurnTide Technologies、BETA Technologies、Ion Energy、ZeroAviaへの投資を発表しています。今後、これらの企業はAmazonからの投資資金を活用して、それぞれの製品やサービスの開発や拡張を続けていくことができます。
Amazonでは、The Climate Pledgeの署名企業を始めとする世界中の企業が、こうした製品やサービスを活用し、よりグリーンな経済を生成することを願っています。Amazonでは引き続き、Climate Pledge Fundへの応募を受け付けています。
この記事は2020年10月27日に米国版About Amazonで発表された記事を日本語に翻訳したものです。