Amazonは、北米とヨーロッパで、風力および太陽光を用いた実用規模のエネルギー・プロジェクト9件を新たに進めていることを発表しました。これによってAmazonは、世界最大の再生可能エネルギー調達企業となります。
Amazonは現在、全世界で合計206件の再生可能エネルギー・プロジェクトを進めており、その内訳は71の実用規模の風力および太陽光プロジェクト、135基の世界各地の施設や店舗の屋上に設置される太陽光発電システムとなっています。全世界での電力生産能力はこれまでに8.5ギガワット(GW)に達しており、Amazonは当初の目標であった2030年よりも5年早い、2025年までに当社事業に必要な電力を100%再生可能エネルギーで賄うべく歩みを進めています。
4月19日に発表した新しいエネルギー・プロジェクトによって、Amazonはヨーロッパ最大の再生可能エネルギー調達企業となりました。再生可能エネルギー容量は2.5GWを超え、これは200万世帯以上のヨーロッパの家庭に1年間電力を供給するのに十分な量に相当します。
最新の実用規模の再生可能エネルギー・プロジェクトの実施国は、米国、カナダ、スペイン、スウェーデン、英国です。 これらをはじめとするAmazonのプロジェクトは、Amazonのオフィス、物流拠点であるフルフィルメントセンター、ホールフーズ・マーケットの店舗、およびアマゾン ウェブ サービス(AWS)データセンターに再生可能エネルギーを供給し、Amazonと世界中の何百万人ものAWSのお客様に電力を供給しています。これらのプロジェクトで得られる再生可能エネルギーは、お客様がお使いのすべてのEchoデバイスが消費する電力に相当するクリーンエネルギーを生産するという、Amazonの公約を実現することにも役立てられます。
これらのプロジェクトはいずれも、当初の目標であった2030年よりも5年早い、2025年までに当社事業に必要な電力を100%再生可能エネルギーで賄うという、Amazonの野心的な目標の一環として実施されます。「The Climate Pledge(気候変動対策に関する誓約)」は、パリ協定の達成目標よりも10年早い、2040年までに二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにするという誓約です。それに向けたAmazonの数々の取り組みの1つが、再生可能エネルギーへの投資です。
Amazonの創業者兼CEO(最高経営責任者)のジェフ・ベゾスは、次のように述べています。
「当社は2040年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにするという目標を掲げており、この誓約(The Climate Pledge)を達成するための取り組みの一環として、再生可能エネルギーへの投資を継続的に拡大しています。今回、9件の風力および太陽光プロジェクトが新たに加わったことで、当社は世界中で206件の風力と太陽光を使った再生可能プロジェクトを発表したことになります。今やAmazonは、ヨーロッパおよび世界で最大の再生可能エネルギー調達企業です。当社のビジネスの多くの部分がすでに、再生可能エネルギーで運営されています。2030年という当初の目標を5年前倒しして、2025年までにAmazonが使用するすべての電力を再生可能エネルギーで賄えるようにする予定です」
9件の新たな風力および太陽光プロジェクトの詳細は、以下のとおりです。
- Amazon初となるエネルギー貯蔵を組み合わせた太陽光プロジェクト:米国・カリフォルニア州のインペリアルバレーを拠点とする、Amazon初となるエネルギー貯蔵を組み合わせた太陽光プロジェクトにより、旺盛な需要に対応した太陽光発電が可能になります。同プロジェクトでは、100メガワット(MW)の太陽光エネルギーが生成されます。これは、2万8,000世帯を超える家庭に1年間電力を供給するのに十分であり、70 MW分のエネルギー貯蔵も含まれます。また、このプロジェクトによりAmazonは、カリフォルニア州の電力供給網の信頼性と回復力を維持しつつ、エネルギーの貯蔵と管理のための次世代技術を導入することも可能となります。
- カナダにおけるAmazon初の再生可能エネルギー・プロジェクト:カナダのAmazonは、アルバータ州ニューウェル郡での80メガワット(MW)規模の太陽光プロジェクトを発表しました。これは、カナダにおける当社初の再生可能エネルギー投資です。完成すれば、19万5,000メガワット時(MWh)を超える再生可能エネルギーが電力供給網に供給されることになります。これは、1万8,000世帯を超えるカナダの家庭に1年間電力を供給するのに十分な量です。
- 英国内で最大規模の企業による再生可能エネルギー・プロジェクト:英国のAmazonの最新プロジェクトは、スコットランド沿岸に350 MW規模の風力発電所を建設するというものです。これはAmazonにとって英国最大のプロジェクトであると同時に、これまで英国内で発表された企業による再生可能エネルギー・プロジェクトで最大の規模となります。
- 米国での新規プロジェクト:Amazonは、オクラホマ州での自社初の再生可能エネルギー・プロジェクトとして、マレー郡で118 MW規模の風力プロジェクトを展開します。また、オハイオ州のアレン郡、オーグレイズ郡、リッキング郡でも新しい太陽光プロジェクトの建設を進めています。オハイオ州でのこれらのプロジェクトをすべて合わせると、400 MWを超えるエネルギーを新たに調達することが可能となります。
- スペインとスウェーデンにおける追加投資:スペインのAmazonの最新の太陽光プロジェクトはエストレマドラとアンダルシアで実施され、合わせて170 MWを超える電力が供給網に追加されることになります。スウェーデンでのAmazonの最新プロジェクトは、スウェーデン北部に位置する258 MW規模の陸上風力発電所です。
Amazonが世界中で実施している再生可能エネルギー・プロジェクトについては、インタラクティブマップをご参照ください。
米国再生可能エネルギー評議会(ACORE)のプレジデント兼CEOのグレゴリー・ウェットストーン(Gregory Wetstone)氏は、次のように述べています。「Amazonは、世界中の企業の再生可能エネルギーへの移行を先導し続けています。そして、再生可能エネルギーに関する野心的な目標が達成可能であること、かつ、広く利益をもたらすものであることを示すうえで、同社は絶えず重要な役割を果たしています」「Amazonのクリーンエネルギーに関する9つの新規プロジェクトは、合計8.5GWの再生可能エネルギーを全世界で確保するという目覚ましい成果をもたらすものです。それには、高度なテクノロジーを活用して信頼できるクリーンな電力供給網を提供する、Amazon初の太陽光+貯蔵プロジェクトが含まれます」
太陽エネルギー産業協会(SEIA)のプレジデント兼CEOのアビゲイル・ロス・ホッパー(Abigail Ross Hopper)氏は、次のように述べています。「Amazonのようなリーディングカンパニーは、太陽エネルギーが自社のビジネス、そして地球にどのような価値をもたらすのかを知っています。Amazonが気候変動への取り組みを継続し、世界中の再生可能エネルギー資産に投資している様子をワクワクしながら見守っています。ウォールストリート、お客様、国際企業はみな、米国の企業が気候変動に対してどのような取り組みを行っているのかに注目しています。このようなリーダーシップは、気候危機に大きな影響を与えることが可能です」
ヨーロッパの企業再生可能エネルギー調達プラットフォーム、RE-Sourceのインパクトディレクターであるハンナ・ハント(Hannah Hunt)氏も、今回のAmazonの投資を称賛しています。ヨーロッパの企業再生可能エネルギー調達プラットフォーム、RE-Sourceのインパクトディレクターであるハンナ・ハント(Hannah Hunt)氏は、次のように述べています。「Amazonは再生可能エネルギー調達におけるリーダー企業であり、この分野での継続的なイノベーションと投資を通して、市場に変化を起こし続けています。スペイン、スウェーデン、英国をはじめ、全世界におけるAmazonの取り組みは大変素晴らしいものであり、クライメート・ニュートラル(気候中立)の実現を目指す企業にとって、これらの長期的な投資は非常に重要な意味を持っています」
Business Renewables Centre–Canadaの所長であるレベッカ・ネーデル(Rebecca Nadel)氏は、カナダでのプロジェクトの重要性について、次のように述べています。「80 MWの電力取引に関するAmazonの発表は、カナダで知られる最大の太陽光発電購入契約です。この取引は、再生可能エネルギーの調達企業としてのAmazonのリーダーシップがカナダまで拡大したことを示すと同時に、カナダの再生可能エネルギー市場の成長と持続性を裏付けるものでもあります」
Amazonは、2019年にGlobal Optimismと共同で、パリ協定の達成目標を10年前倒しして、2040年までに二酸化炭素排出量の実質ゼロ化を達成することを公約する「The Climate Pledge(気候変動対策に関する誓約)」を立ち上げました。これまでに、世界中の多数の企業がAmazonの活動に参画し、同誓約に署名しています。同誓約の目標を達成するために、Amazonは引き続き事業全体で炭素排出量を削減していきます。当初の目標であった2030年よりも5年早く、当社事業で使用する電力の100%を再生可能エネルギーで賄うための道を切り開くために、実際にビジネスアクションを起こしていきます。例えば、2030年までに全配送の50%の炭素排出量ゼロを達成する「Shipment Zero」ビジョンを打ち出し、電気配送車としては過去最多となる10万台を発注しました。また、The Climate Pledge Fund(The Climate Pledge基金)を通して、脱炭素化のためのサービスとソリューションの開発に20億ドルを投資しています。詳細については、https://sustainability.aboutamazon.com/をご覧ください。
*この記事は2021年4月19日に米国版About Amazon で発表された記事を日本語に翻訳したものです。