競争が激しい今日のビジネス界において秀でるには、熟慮する必要があります。適切なイメージをまとうことは必須であり、求職者はますますブランド構築を気にかけるようになっています。幸運なことに、ソーシャルメディアによって、人事担当者の先を行く新たな方法がもたらされました。2018年3月19日、在日米国商工会議所のウィメン・イン・ビジネス委員会は、東京アメリカンクラブに、アマゾンジャパン合同会社 Alexaエクスペリエンス&デバイス事業部より3人のスピーカーを迎えました。カントリー・マネージャーのカレン・ルービン、エディトリアル・マネージャーの麻生公子、およびリクルーターの小川璃紗が自分自身の経験を語り、パーソナルブランドの構築方法について助言しました。

リーダーとしてのブランド
対話型セッションの最初にルービンが、パーソナルブランドを定義しました。「実のところ、私にとっての基本的な定義は、自分が他の人からどう認識されているかということです。」自身の経験では、パーソナルブランドを見つけようとしたことはないそうで、「特別なところは何もなかったので」と笑いました。

しかしながら、ブランドとして特定できる点が特にない中で、仕事において思い入れの強いものが、パーソナルブランドを定義するのだと気付きました。世界的に、Amazonはリーダーとしての行動指針を「リーダーシップ プリンシプル(Our Leadership Principles)」として14項目を掲げています。ルービンは、それらの原則が、自分のブランドを導く源になっていると指摘し、特に重要な点としてリーダーシップ項目の中でもEarn TrustとOwnershipを挙げました。

「リーダーは責任を持っています。長期的に考え、短期的な結果のために長期的な価値を犠牲にはしません。自分自身のチームを超え、会社全体を代表して行動します。『それは私の仕事でない』とは決して言いません。リーダーは注意深く話を聴き、率直に話し、互いに敬意をもって接します。たとえ気まずかったり、恥ずかしかったりしても、声に出して自己批判をし、自分自身や自分のチームを、最高のものを基準にして評価します。」

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子育てと仕事の両立について語るリクルーターの小川璃紗
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リクルーターの小川璃紗
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エディトリアル・マネージャーの麻生公子
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カントリー・マネージャーのカレン・ルービン

日本への適用
これらのリーダーシップ原則は世界的なものですが、日本に適合させなければなりません。「(日本の人々は)責任感が非常に強いので、より多くのことを引き受けたがりません。実行できないと考えたり、断る必要があると確信していたり、他の責任を負っていたりするからです」とルービンは述べました。「本当は責任の持ち方を問題にすべきで、実のところ、自分を最も厳しく批判するのは自分です。」 ルービンが考える、プレッシャーを和らげる方法の1つは、「身を乗り出し」て、経営陣や同僚のサポートを受けることです。

小川は、新たな役割と子育てを両立させたこと、その際に直面した困難や課題、そして自分のブランドがどのようにして、ワークライフバランスの取れたワーキングマザーへと発展していったかを振り返りました。
「母親であることで、必要なときは他人に頼りサポートを求めてよいということを学びました。熱意を持ち続け、自分の行動の全てに責任を持つことで、他人の信頼を得ることができれば、全てうまくいきます。」

母親であることは、麻生のパーソナルブランドの一部でもあります。それは、Amazonで仕事を得るという困難に取り組みつつ、こなさなければならなかったことでした。英語力が障壁となってきていたことについて、麻生は、Amazonで現在の事業部へ異動するに当たり、3回の英語面接を含む、6回の面接を受けなければならなかったときのことを説明しました。日本語力が平均を大きく上回っているのだから、英語力を判断基準としないでほしいと面接官に依頼したのです。そして、「勇気を持ち、挑戦をためらわないことが私のパーソナルブランドです」と締めくくりました。

一歩ずつ
フィードバックを求めることは、ブランド構築の極めて重要な側面です。「自分の強みや機会を知ることは、とても良い最初の一歩です」とルービンは述べました。ルービンはまた、パーソナルブランドの開発に役立てるため、ロールモデルを見つけるという戦略についても言及しました。ロールモデルのパーソナルブランド、どのようにそれを開発していったか、そしてどのような強みを活用しているかを分析するのです。最高経営責任者(CEO)ジェフ・ベゾスによって形作られた、Amazonで中核となるテーマは、失敗は必須であり、失敗がなければ実験はないという考え方です。したがって、元々のブランディングに固執しないことは、悪いことではありません。固執せず発展させれば良いのです。「状況、うまくいかなかったこと、どうすればよかったのかをよく考えてください。」結局のところ、「私の考えるパーソナルブランドの目的は、他人が望んだり期待したりする自分になることではなく、ありのままの自分でいることです」とルービンは述べました。

注釈:Amazonはリーダーとしての行動指針を「リーダーシップ プリンシプル(Our Leadership Principles)」として14項目を挙げています。

(ACCJジャーナル 2018年5月号)