Amazonは2023年1月31日、2022年の1年間に11か国133件の新たなプロジェクトを加え、再生可能エネルギーによる発電能力を8.3ギガワット(GW)増強したことを発表しました。これにより、Amazonの再生可能エネルギープロジェクトは世界22か国401件、合計の発電能力は20GW以上となります。これは、米国の530万世帯、もしくはヨーロッパの1530万世帯に供給する電力量に相当します。Amazonは今後も、世界中のAWSデータセンターや物流拠点であるフルフィルメントセンター(FC)、実店舗など、Amazonの事業に電力を供給するため、風力・太陽光発電プロジェクトを追加し、再生可能エネルギーの調達を進めていきます。

継続的な再生可能エネルギーへの投資により、Amazonが発表している再生可能エネルギーの購入量は、単一の企業として年間で過去最大となりました。Bloomberg New Energy Financeによると、Amazonは2020年に世界最大の再生可能エネルギー購入企業となって以降、その地位を維持しています。Amazonによる再生可能エネルギーへの投資は、イノベーティブな取引構造やテクノロジー、クラウドソリューションを通じた、新たな地域での成長を加速させます。

これらの再生可能エネルギーの調達によりAmazonは、当初の目標である2030年よりも5年早い、2025年までの100%再生可能エネルギーによる事業運営に向けてまた一歩近づきます。2022年には、オーストラリア、カナダ、フィンランド、フランス、ドイツ、日本、ポーランド、シンガポール、スペイン、米国のほか、新たにブラジル、インド、インドネシアのプロジェクトを発表しました。2022年の終わりに新たに25件のプロジェクトを加え、Amazonの再生可能エネルギープロジェクトは現在、風力および太陽光発電所164件、自社関連施設の屋上太陽光発電プロジェクト237件の計401件となりました。これらの運用が開始されると、毎年56,881ギガワット時(GWh)のクリーンエネルギーの生成が見込まれます。

An image of solar panels.

アマゾン ウェブ サービス(AWS)のCEOであるアダム・セリプスキー(Adam Selipsky)は、次のように述べています。「わたしたちは世界各地で新たな再生可能エネルギープロジェクトの立ち上げを続けており、当初の目標よりも5年早く、自社事業を100%再生可能エネルギーで運営する取り組みが順調に進んでいることをしく思います。11か国133件の新たな再生可能エネルギープロジェクトにより、2022年はAmazonにとって記録的な年となりました。これらのプロジェクトは、わたしたちがさまざまな再生可能エネルギーの調達先を有し、新しい市場に新規のテクノロジーを導入し、気候変動の影響をさらに軽減するための能力を備えていることを示しています」

2022年内に発表した108件に加えて、2022年の再生可能エネルギープロジェクトとして下記を含む25件の新規プロジェクトを発表します:

  • ヨーロッパでは、フィンランド、ドイツ、イタリア、スペイン、英国で新たに計11件372メガワット(MW)の発電能力を追加しました。Amazonは世界で最も優れた再生可能エネルギー資源の1つである風力を活用するため、洋上風力発電プロジェクトを増やしています。ヨーロッパにおいて新たに投資した2件の洋上風力発電プロジェクトの発電能力は、合計280MWになります。
  • 北米では、アリゾナ州、カリフォルニア州、テキサス州において計4件、合計918MWのプロジェクトを追加しました。太陽光発電とエネルギー貯蔵システムを組み合わせたカリフォルニア州の新規プロジェクトによりAmazonは、太陽光発電によるクリーンエネルギーを貯蔵し、太陽光が利用できない夜間や、需要の高い時間帯においてもクリーンエネルギーを利用することが可能となります。同様にカリフォルニア州では、航空貨物の梱包や空輸オペレーションを行うAmazon Air Hubに初めて、オンサイト型の太陽光発電プロジェクトを追加しました。
  • アジア太平洋地域では、10件の再生可能エネルギープロジェクトを追加しました。インドでは、Amazon初の2件の風力・太陽光ハイブリッドプロジェクトに続いて3件目となる、200MWの風力・太陽光ハイブリッドプロジェクトが追加されました。再生可能エネルギーのハイブリッドシステムは、同国が発電における脱炭素化を推進し、中期的に電力コストを引き下げていく上で、重要な役割を担います。これらのシステムは、発電プロファイルの異なる2つのテクノロジーを組み合わせて再生可能エネルギーによる発電の変動幅を抑え、電力網の安定性を高めることで、クリーンエネルギーを最大限に活用します。インドネシアでは、Amazonとして初めての再生可能エネルギープロジェクトに投資し、同国初の追加性のある企業向け大規模太陽光発電プロジェクトに関する協定を締結しました。日本では、38MWの1件の大規模太陽光発電所と3件の屋上太陽光発電を加えました。
An image of a wind farm.
Photo by NextEra Energy.

再生可能エネルギーの急速な拡大は、気候変動に対抗するために最も効果的な戦略のひとつです。企業による再生可能エネルギーの調達が、温室効果ガスの排出削減に最大限貢献できるよう、Amazonは先ごろ、新たに「Emissions First partnership」の結成を主導しました。この取り組みは、世界で最も優れた炭素会計(カーボンアカウンティング)基準を最新化し、世界の送電網における温室効果ガスの排出量削減を可能な限り早く、そして費用効率性が高く行えるよう、提言活動をリードします。

Bloomberg New Energy Financeのサステナビリティリサーチの責任者であるカイル・ハリソン(Kyle Harrison)氏は、「Amazonのクリーンエネルギーポートフォリオは、企業の中でトップであるだけでなく、今や電力事業者の中でも世界有数であると言えます。世界的なエネルギー危機やサプライチェーンのボトルネック、そして高い金利に悩まされた1年の中で、クリーンエネルギー調達の年間記録を更新したという事実は、Amazonの先進的な計画と、電力市場への対応、そして長期の契約を実行する専門性を示すものです」 と話しました。

Clean Energy Buyers Association(CEBA)のCEOであるミランダ・バレンタイン(Miranda Ballentine)氏は、「2022年の不透明な市場の中で、Amazonはクリーンエネルギーの購入をリードし、再生可能エネルギーへのコミットメントを強化しました。AmazonはCEBAのDeal Tracker Top 10のトップに位置しており、その脱炭素化に向けたコミットメントは、私たちのコミュニティ、そして世界へ明確に示されています」と述べています。

An image of solar panels.

Climate Groupのエネルギー担当ディレクターでAsia Clean Energy Coalition(ACEC)のスポークスパーソンでもあるサム・キミンズ(Sam Kimmins)氏は「アジアの国々が石炭や天然ガスからの移行を続ける中、Amazonによる風力・太陽光への投資は、この地域において企業からの再生可能エネルギー電力に対する需要は大きく、そして拡大していることを裏付けるものです。今後も再生可能エネルギーの供給を急速に拡大し、アジアでの100% 再生可能エネルギーの達成という共通の目標に向けて、Amazonや他のACEC加盟企業と協力していくことを楽しみにしています」とコメントしています。

AmazonはGlobal Optimismと共に、パリ協定の目標よりも10年早く、2040年までにネットゼロカーボンの達成を約束する「The Climate Pledge(気候変動対策に関する誓約)」を立ち上げました。現在、Best Buy、IBM、Microsoft、PepsiCo、Siemens、Unilever、Verizon、Visaなど、世界中から400社近い企業がThe Climate Pledgeに署名しています。またAmazonは、配送車両の電動化や化石燃料に代わるエネルギー源の調達など、配送網の変革を進めています。現在、Rivian製の数千台の電動配送車を全米100以上の都市・地域に展開しています。ヨーロッパではお客様への商品のお届けに3,000台を超える電動配送車が使用されており、アジア太平洋地域においても電気自動車に関する複数のパートナーシップを締結しています。そして20億ドル規模の「Climate Pledge Fund」を通じて、脱炭素化につながるサービスやソリューションの開発に投資しています。そのほか、Amazonのサステナビリティの取り組みはこちらをご覧ください。https://sustainability.aboutamazon.com/

※この記事は2023年1月31日に米国版About Amazonで発表された記事を日本語に翻訳したものです。原文と日本語訳に相違がある場合は、原文の内容が優先します。

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