「ダイバーシティ&インクルージョン」(多様性の受容と活用)は、Amazonが推進する働き方における重要なテーマです。そのミッションの1つとして、女性活躍への取り組みがあります。Amazonでは、有志社員で結成されたアフィニティグループ「women@」の活動をはじめ、より良い働き方が可能となる社会の実現に向けたプロジェクトを日々進めています。

2019年2月28日、国際女性デーを前に、女性活躍推進に向けたイベント「ウィメン・イン・ビジネス」の東京サミットが開催されました。ACCJ(在日米国商工会議所)主催による同イベントは2013年に始まったもので、過去には安倍晋三内閣総理大臣が基調講演に登壇するなど、日本国内における最も大規模な国際ビジネスサミットの1つです。国内外からビジネスリーダーが集まり、働く女性の地位向上や働き方、また雇用や労働に関するさまざまな課題について議論します。

Amazonは協賛企業として同イベントを支援しており、今回はパネルディスカッションにアマゾンジャパン社員の金子みどりさん(パブリック・リレーションズ ディレクター)が登壇。また「women@」グループメンバーをはじめとした数名のアマゾンジャパン女性社員がイベントに参加しました。

多様性を受け入れる社会に向けて、Amazonが実践する柔軟な働き方
会場の様子

サミットは分科会形式で、丸1日かけて12のパネルディスカッションと4つのワークショップが開かれました。金子さんがスピーカーの1人として参加したセッションでは、三菱ケミカル株式会社 執行役員 ダイバーシティ推進担当の中田るみ子さん、株式会社ファンケル 代表取締役 社長執行役員 CEOの島田和幸さん、MSD株式会社 人事部門 タレントマネジメントグループの戸村玲子さんらがスピーカーとして、またモデレーターとして株式会社ハーモニー人材 代表取締役社長の日月真紀子さんが登壇しました。

多様性を受け入れる社会に向けて、Amazonが実践する柔軟な働き方
パネルディスカッションの様子

ディスカッションのテーマは「柔軟な働き方とその取り組み事例」です。モデレーターの日月さんは「現在、日本における女性就業率はアメリカよりも高い70.3%ですが、そのうち女性管理職はわずか7.2%。国内企業の約半数には女性管理職が存在しません。これから柔軟な働き方が浸透していけば、女性リーダーの増加が期待できるでしょう」と話します。

集まったパネリストたちは、時短勤務やフレックス、テレワーク、在宅勤務、副業の推進、ユニークな休暇や教育制度など、それぞれが自社で推進している取り組みについて、およそ200名の参加者の前で発表しました。

多様性を受け入れる社会に向けて、Amazonが実践する柔軟な働き方
パネリストの4名
多様性を受け入れる社会に向けて、Amazonが実践する柔軟な働き方
パネリストの4名
多様性を受け入れる社会に向けて、Amazonが実践する柔軟な働き方
パネリストの4名
多様性を受け入れる社会に向けて、Amazonが実践する柔軟な働き方
パネリストの4名

「Amazonは2020年に設立25周年を迎え、アマゾンジャパンも20周年となります。お客様のことを第一に考えて事業を進めてきたら、いつの間にかこれだけの年月となりました。ですがAmazonでは、毎日が常に“Day One”、つまり最初の一歩を踏み出す日だと考えています。これは私たちの基本的な理念であり、世界で70万人を超えるAmazon全社員が持つ共通認識です」と金子さんは話します。

「柔軟な働き方を実践していくにあたって最も重要なのは、企業のカルチャーとマインドセットです。Amazonは特徴的なカルチャーを持っており、おかげでさまざまな人事制度が柔軟に活用されています」と金子さん。例えば在宅勤務の制度については、特別な承認も必要なく、ほぼすべての社員が自由に利用しているのだと言います。それが可能となるのは、日頃からチーム内で現状を共有し、メンバー同士がサポートし合うというカルチャーが根付いているからです。

「チャットやビデオ会議などの社内ツールが充実していれば、離れた場所からの仕事であってもまったく問題はありません。Amazonは情報共有のスピードが非常に速く、いつでもどこからでも、国外のメンバーとでも迅速にやりとりを進められます」

さらに金子さんは、ダイバーシティ&インクルージョンについても言及し、「多様性を受け入れるにはまず、本当の意味での多様性とは何なのか考える必要があります」と提起します。「多様性はジェンダーだけでなく、国籍やキャリア、バックグラウンド、価値観といったあらゆる要素があります。また、ひとりの人間をとってみても“まったく同じ日”は存在せず、例えば夫がケガをした、子どもが熱を出したなど不測のイベントが日々起こるのです。だから誰もが毎日同じように働くというのは本来あり得ないことです」

アマゾンジャパンだけでも50カ国以上の国から来たメンバーが在籍しており、経歴もさまざまです。こうしたAmazonのカルチャーは採用の場においても顕著で、面接では国籍もジェンダーも、キャリアにブランクがあっても特に尋ねることはないのだと金子さんは言います。「私たちは履歴書に書かれた情報よりも、その人の考え方や行動規範を重要視しています。私個人としてもダイバーシティ&インクルージョンの活動を長く続けていますので、こうして多様性について考え、受け入れていく習慣が日本全体に広まればいいと感じています」と締めくくりました。

セッション後、金子さんの前には参加者の長蛇の列が。「チームワークはどのようにして築いているのか」「評価制度はどうなっているのか」など、Amazonの働き方を実践するためのノウハウについて多数の質問が寄せられました。

多様性を受け入れる社会に向けて、Amazonが実践する柔軟な働き方

午前中のパネルディスカッションが終わると「ランチ&ネットワーキング」の時間が設けられ、参加者たちは今日の体験を共有しました。

「女性活躍にまつわるイベントでは、『男性が女性を公平に扱うにはどうすべきか』『もっと女性を押し上げるべきだ』といったことに議論が行ってしまいがちです。ダイバーシティとは男女平等に限った話ではなく、女性社員を増やすことでもありません。特に現在の労働現場のマジョリティである男性社員や管理職の社員たちが、多様性について理解を深めることが大切だと思います。今回はとても勉強になったイベントでした」(頼 アリスさん )

「男性の参加者が多かったことに驚きました。年配の男性はダイバーシティにあまり関心がないだろうと思っていたのです。どのセッションでも参加者たちはとても熱心に質問をしており、本当に学びを得ようとしている人たちだと感じました。男女のバランスのとれた職場をつくるには長い道のりが必要ですが、すでに変化の種はまかれています。あとは私たち全員が責任持ってそれらを育てていくことです」(エリザ・スェッドバーグさん)

「女性の活躍に向けてさまざまな企業や人々が尽力し、その結果として今の時代があるのだと実感できました。ただ一方で、実際に成功をつかんでいる女性は社会全体で見るとまだ一部です。文化や価値観を変えるには、志ある人たちが継続した働きかけを行っていくことが求められます。そういった意味では、Amazonの『women@』のメンバーとしてこれからも貢献を続けていきたいと改めて感じました」(大竹 麻理耶さん)