こだわりやアイデアが詰まった商品を展開する販売事業者にとって、その魅力をどうお客様に伝えるかは大きな課題です。今回は、Amazonのサービスを活用し、ブランドや商品の魅力を最大化することに成功した2社の中小企業を紹介します。

1点ものにこだわった播州織のショールをAmazonで販売

有限会社玉木新雌が展開するブランド「tamaki niime」の本社兼直営店は、のどかな田園風景が広がる兵庫県西脇市比延町にあります。店舗に併設された工房では年代物の織機が音を立て、軒先の庭ではヒツジやアルパカが飼育されています。「播州(ばんしゅう)織の産地であるこの地に根ざし、自然と共生したものづくりを行っています」と語るのは、同社代表取締役/播州織アーティストの玉木新雌さんです。

織機の前に立つ赤いワンピースを着てメガネをかけた女性
有限会社玉木新雌 代表取締役/播州織アーティスト・玉木新雌さん

玉木さん「江戸時代から伝わる播州織は、先染めした糸を使って生地を織る特徴を持ち、経糸と緯糸の組み合わせによって絵画のような表現ができます。その自由さに魅了され、2004年に立ち上げたブランドの軸に播州織を据えました。自社でコットンの栽培から染色、織布、編み、縫製までを一貫して行い、1つとして同じ色合いや風合いのものがない1点ものにこだわっています」

Amazonで販売しているショールには、こんな製作秘話があります。

玉木さん「試行錯誤しながら生地づくりに励んでいると、柔らか過ぎて縫えないものが生まれました。『着ることはできないけど、首になら巻ける!』。そうして2009年に生まれたショールは肌触りが優しく、敏感肌の私でも心地いい。理想にたどり着いた瞬間でした」

カラフルな糸巻の前に置かれた柔らかそうなショール
肌触りの良いコットンで織られた播州織のショールは、着心地の良さや鮮やかな色合いが特長
幅3メートルぐらいありそうな自動織機
工房には播州織の産地として受け継がれてきた織機を導入している
小型の馬の鼻をなでる女性(玉木さん)
多くの動物に囲まれながら、自然と一体となった環境でものづくりを行っている

ブランドページなら1点ものの商品の違いを伝えられる

Amazonに出品したのは2020年。直営店や期間限定ショップでの販売、百貨店などへの卸販売を販路の中心としていた同社にとって、初となるECでの販売でした。

玉木さん「自社オンラインショップを立ち上げようにも知識や経験がなく、どこから手をつければいいかわからない状態でした。そこでまず、日常的に利用しているAmazonに出品し、ECの基礎的な部分を学び、把握することから始めました。その半年後には、Amazonへの出品経験を活かし、自社のオンラインショップをスムーズに立ち上げることができました」

商品に込めた想いやこだわりを余すことなく発信するために、Amazonブランド登録に登録し、ストア機能を活用するなど、さまざまな工夫を凝らしています。

玉木さん「ストア機能を使ってブランドページを作成しました。私たちの信念や価値観、ものづくりへのこだわりをしっかりと伝え、工房の製作風景などを紹介する動画も載せています。ブランドの世界観を伝えられることはAmazonの大きな魅力ですね。それから、私たちの商品は1点ごとに生地の表情が異なります。Amazonのブランドページは商品を一覧で表示できるので、お客様が商品の違いを見比べられる点もメリットだと感じています」

Amazonに出品を開始した時期はコロナ禍と重なったこともあり、「Amazonに出品することで多くのお客様に商品を届けることができた」と玉木さんは振り返ります。

玉木さん「百貨店などが休業し、期間限定ショップもオープンできない状態でした。そんな中、Amazonで商品を購入してくださったお客様から『ショールのカラフルな色を見て元気が出た』など、励みになるカスタマーレビューをたくさんいただきました。私たちのブランドは性別や世代を問わず、多くのお客様に愛されることを目指しています。Amazonを通じてより多くのお客様に商品を届けられることは、私たちの喜びにつながっています」

織機の写真が配置されたPC内の画面 「ないからつくる」の文字
Amazon.co.jp上に作成できるブランドページで、ものづくりへの想いや信念を紹介している

現場のリアルからしか生まれないものづくりを大切にしたい

2022年からは、Amazonが提供する決済サービス、Amazon Payを自社ECに導入していると言います。

玉木さん「私自身、毎日のようにAmazonを利用する中で、『Amazon Pay(アマゾン・ペイ)を自社のオンラインショップに導入したほうがいい!』と常々思っていました。お客様がAmazon Payでの決済を選択されると、ご自身のAmazonアカウントに登録されている住所やクレジットカード番号などのお支払い情報を入力する手間が省けるので、本当に便利ですよね。現在は、自社オンラインショップの決済方法の選択肢の中で、Amazon Payが最も多く利用されています」

法人価格・数量割引で商品を購入できるAmazonビジネスの存在も重要だと玉木さんは言います。

玉木さん「Amazonビジネスを使えば都市部まで買い物に行く必要がありませんし、欲しい商品がびっくりするくらい速く届きます。店舗の備品や、動物たちの暮らしに必要なものもAmazonビジネスで購入しています。色々なものを買って試したい実験好きの私にとっても、理想の店舗空間を作るためにも欠かせないサービスですね」

製品に触れながら、糸巻の棚の前でスタッフと会話する玉木さん
自分たちが欲しい服をスタッフ全員で話し合い、幅広い世代に愛される商品づくりを目指している
カラフルな服が並ぶ店内。天井や柱にメッセージが書かれている
Amazonビジネスで備品を購入し、こだわりの詰まった店舗づくりを行っている

アパレルを起点にさまざまなことに挑戦する玉木さんは、その先にどんな未来を見据えているのでしょうか?

玉木さん「生地の原料を輸入に頼るなど、アパレル業界が抱える課題は少なくありません。だからこそ、私たちは自分たちで原料を作り、現場のリアルからしか生まれないものづくりを大切にしています。将来的にはこの場所を自給自足の村にしたい。スタッフと力を合わせて挑戦を続けていきます」


お客様の悩みを解決するアイデア商品を開発し、Amazonで販売

 弁当箱の形をした1人用炊飯器や、アイロンいらずでワイシャツのシワを伸ばせる乾燥機など、アイデアが詰まった商品の開発・製造・販売を手がけるサンコー株式会社。秋葉原を拠点に店舗を展開し、2010年からはAmazonに商品を出品しています。同社執行役員・広報部長の﨏(えき)晋介さんは、「2003年に代表取締役社長の山光(博康)が創業し、海外にある『面白くて役に立つもの』を日本で紹介するために自社ECを立ち上げたのが始まりです」と語ります。

商品棚の前に立つオーバーオールのジーンズを着た笑顔の男性
サンコー株式会社 執行役員/広報部部長・﨏晋介さん

﨏さん「当初は既製品の輸入がメインでしたが、徐々にオリジナルの商品を開発するようになり、ワイシャツ用の乾燥機やネッククーラーなど、数々のヒット商品が生まれました。これまでに5000点近い商品を発売し、現在は年間100点以上の新商品を展開しています」

世の中にない商品を次々と生み出す秘訣は、全社員で毎週行う企画会議だと﨏さんは言います。

﨏さん「当社の武器は企画力に尽きます。ただ、アイデアありきではなく、お客様の悩みや課題を起点とし、見たときにわくわくする商品開発を心がけています。当社には技術者が在籍しているので、社内の3Dプリンターや工作機を使って試作できるスピード感も強みの1つです」

それぞれ異なるタイプの商品が4つ並んでいる
自動回転で焼き上げる「おひとりさま用焼き鳥メーカー」(右から2番目)など、ユニークな商品を販売
ワイシャツの内側が風船状に膨らみマネキンのような形になっている
シワを伸ばす乾燥機「アイロンいら〜ず」は同社のヒット商品
工具の前で真剣な表情で部品を組み立てている男性
社内の技術者が試作を重ね、シンプルかつ機能性を重視した商品を生み出している

個性的な機能を持った商品ほどAmazonと相性が良い

2003年に立ち上げた自社ECと並行して、2010年からはAmazonに出品し、商品の販売を行っています。

﨏さん「どんなにユニークな商品を作っても、お客様に知ってもらう機会がないと意味がありません。多くのお客様にリーチするために、Amazonを新たな販路として選びました」

Amazonのストア機能を使って作成した同社のブランドページは、人気商品を一覧にして紹介したり、商品をジャンルごとにカテゴライズしたりするなど、お客様が商品を探しやすくなるためのさまざまな工夫が施されています。

﨏さん「それらに加えて、商品ページにできるだけ多くの情報を載せることも意識しています。と言うのも、店舗では商品を見て、触れられるメリットはありますが、商品の特徴を伝えきれないことも多いんです。例えば、実際に商品を部屋で使用した際のイメージや、炊飯器であれば炊き上がりのお米の具合など、画像や動画を載せられるAmazonのほうがより詳しく商品の特徴を伝えることができます。個性的な機能を持った商品ほど、Amazonと相性が良いと思います」

﨏さん「余分な機能や装飾はできるだけ排除して、シンプルな構造にすることで価格を抑えています。また、Amazonが商品の保管、注文処理、梱包、配送、さらには注文や商品に関するカスタマーサービスを代行してくれるフルフィルメント by Amazon(FBA)を利用し、配送コストや人件費を抑えられている点も大きいですね」

また、自社サイトではAmazon Payを利用しています。

﨏さん「お支払い情報を入力する手間が省ける利便性はもちろん、Amazonというブランドへの信頼感は大きいと思います。認知度の低いECサイトの場合、住所やクレジットカード番号を入力することを警戒されるお客様もいらっしゃるからです。お客様に安心して買い物をしていただくために、Amazon Payは効果的だと思います」

Amazonの商品ページ画面
商品をカテゴリー分けし、探しやすさを重視したAmazonのブランドページ

新しい発想の商品を開発し、快適で豊かな暮らしに貢献したい

2022年からは、クラウドベースのコンタクトセンターを提供するAmazon Connectを利用しています。

﨏さん「当社のコールセンターは少人数体制で、お客様のお問い合わせに対応しきれないという課題がありました。その点、Amazon Connectは自動音声応答システムを自由に構築できるので、お客様対応の品質向上につながっています。こうしたAmazonのサービスによって業務効率化を実現することで、お客様がまだ気づいていない悩みも解決できるような新発想の商品を開発し、快適で豊かな暮らしに貢献していきたいですね」

商品を手にホワイトボードの前で社員たちに話しかける男性(﨏さん)
56名いる社員全員が毎週1つずつアイデアを持ち寄り、意見を交換しながら商品を開発している

独自のこだわりや視点を持った商品の魅力を、お客様にどのように伝えるか? 多くの販売事業者が抱える課題に対し、有限会社玉木新雌とサンコー株式会社は、Amazonのサービスを活用することで、ブランドや商品の魅力を最大化することに成功しています。両社の事例は、ECにおけるデジタル戦略の好例と言えるでしょう。


ストア機能とは?
Amazonブランド登録に登録することで利用できるサービスです。ストア機能を使ってブランドページを作成することで、ブランドの規模にかかわらず、お客様にブランドのストーリー、理念、商品を紹介する魅力的な場所を提供します。あらかじめデザインされたテンプレートとドラッグアンドドロップタイルを使用するため、コーディングの技術は必要ありません。


Amazon Payとは?
Amazonアカウントに登録された住所情報やお支払い情報を使って、商品やサービスの支払いができる簡単で安心・安全な決済サービスです。Amazon.co.jp以外のサイトでも、Amazonアカウントを使ってお買い物を楽しむことができます。


本連載について
Amazonでの販売を支援する「Amazon出品サービス」、ビジネス上の購買をサポートする法人向けサービス「Amazon ビジネス」、決済サービス「Amazon Pay」、クラウドサービス「アマゾン ウェブ サービス(AWS)」など、Amazonはさまざまな企業の課題を解決する多様な選択肢を提供しています。本連載では、DX(デジタル・トランスフォーメーション)に取り組む中小企業と、そのDXをさまざまなカタチで支援するAmazonのストーリーをご紹介します。
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