Amazonと米国国際開発庁(USAID; U.S. Agency for International Development)は、気候変動対策分野の女性起業家を支援するための官民パートナーシップを開始します。このパートナーシップは、気候変動対策におけるファイナンス(気候ファイナンス)のエコシステム(生態系)において女性が直面するジェンダーによる不公平の問題に対処し、気候変動対策に関するイノベーションを加速させるために必要な資源を提供し、女性起業家を支援することを目的にしています。

Amazonは、女性による気候変動対策のイノベーションを加速するために、合計5,300万ドルを拠出します。その内訳は、USAIDとのパートナーシップのための300万ドルと、女性が経営する気候テック企業*にAmazonが直接投資する5,000万ドルとなります。
*気候変動対策につながる技術を展開する企業

AmazonはUSAIDの「Climate Gender Equity Fund」の設立パートナーとなります。これは、女性の気候ファイナンスへのアクセスを妨げている体系的な市場障壁を取り除くことを目的とした、新しい気候ファイナンスの取り組みです。またUSAIDは、Amazonと同様に300万ドルを基金発足の支援に割り当てます。

Climate Gender Equity Fundは、世界的な視野に立ち、女性主導で気候変動の解決に取り組む企業、NGO、アクセラレーター、インキュベーター、草の根組織への資金協力を行います。また、女性による気候変動対策に関する技術の開発を加速させるために、必要なネットワークや技術的スキルへのアクセスを支援する取り組みにも、資金を提供します。

Amazonは、「The Climate Pledge(気候変動対策に関する誓約)」の共同設立者として、署名企業やその他の企業と協力し、この新しい基金へのさらなる支援や投資を呼びかけます。このパートナーシップは、Amazonのサステナビリティに関する目標、The Climate Pledgeの取り組み、バイデン政権の「ジェンダー公平と平等に関する国家戦略(National Strategy on Gender Equity and Equality)」を含む、気候変動対策分野における女性のリーダーシップとジェンダー公平に関する共通の目標を進めることを後押しします。

またAmazonは、女性が設立・主導する気候テック企業や、女性が主導する組織を優先して支援するインキュベーターやアクセラレーターへの投資に、「Climate Pledge Fund」から5,000万ドルを割り当てます。Climate Pledge Fundは、脱炭素化の技術とソリューションを開発する企業に投資するAmazonのベンチャーキャピタルプログラムであり、USAIDおよびClimate Gender Equity Fund と協力して、新たな投資機会を見つけ、支援する候補の範囲を広げていきます。

Amazonのワールドワイドサステナビリティ バイスプレジデントであるカラ・ハースト(Kara Hurst)は「気候変動を解決するための重要な一歩として、気候ファイナンスに根強く残るジェンダー不平等の問題を解消し、女性起業家が平等な立場を確保し、気候変動対策を拡大するために必要な資金、ネットワーク、技術的支援にアクセスできるようにしなければなりません」と話し、また「USAIDおよびバイデン政権と協力し、女性主導の気候変動対策の拡大を地球規模で支援できることを誇りに思います。これは2040年までにネットゼロカーボンを達成するというThe Climate Pledgeの目標の一部であり、わたしたちは他の企業にもこの取り組みに参加するよう呼びかけます」とも語りました。

通常、ベンチャーキャピタルが投じる資金総額の中で、女性が設立した企業が占める割合はごくわずかであり、コロナ禍においてその割合はさらに低下しています。一方で女性起業家は、社会的ニーズに対応するイノベーションを起こす可能性がより高いことが、調査によって明らかになっています。また、女性が主導する企業は、投資額1ドル当たりの収益が多く、より高いROI(投資利益率: Return on Investment)を投資家にもたらします。

Amazonはバリューチェーン全体でジェンダーの公平性を推進するため、さまざまな取り組みを行っています。

  • 職場、経済界、コミュニティにおいて、ジェンダーの公平性や女性のエンパワーメントを促進するためのガイダンスを企業に提供する、国連の「女性のエンパワーメント原則(Women's Empowerment Principles)」にコミットしています。
  • 製造業、アパレル、農業など、国境を越えて調達・生産を行うグローバルバリューチェーンの中で働く女性を支援する組織へ投資を行う、「Resilience Fund for Women in Global Value Chains」に100万ドルを助成しています。
  • サプライヤー、工場労働者、経営陣を巻き込み、中国、バングラデシュ、ベトナム、インドにおけるジェンダーに基づく差別と闘うために、サステナビリティのコンサルティングを行うBSRの「HERProject」と提携しています。これらの支援は、1万人近くの女性に届いています。
  • 気候テックを通して気候変動の解決に取り組む女性やその他の少数派の創業者、そして、恵まれないコミュニティのために経済的機会を創出している企業に提供される資金を増やす「Elevate Future Fund」へ投資しています。この投資は、少数派の起業家に資本へのアクセスを提供することを目的とした、新しい「Amazon Catalytic Capital」の取り組みの一環として行われるものです。
  • 新しいスタートアップを見つけ、関係を築くために、北米最大の気候テックインキュベーターであるGreentown Labsと協力しています。Climate Pledge Fundは、さまざまな創業者を対象としたコミュニティイベントである「Access to Success」などのピッチイベントに参加しており、Amazonは、Greentown Labsの業界リーダーシップ協議会のメンバーでもあります。
  • ダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)、インクルージョン(包括性)の原則の推進をリードする気候テック・スタートアップ・アクセラレーターのElemental Exceleratorと協力しています。Elemental Exceleratorは近年、スタートアップ創業者が組織のチームや活動に公平性を組み込むための支援を行う「Equity & Access program」を立ち上げました。

Amazonのサステナビリティの取り組みに関する詳細はこちらをご覧ください。

※この記事は2022年11月3日に米国版About Amazonで発表された記事を日本語に翻訳したものです。原文と日本語訳に相違がある場合は、原文の内容が優先されます。

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