デジタル庁が各府省庁や地方公共団体その他の政府機関による利用を想定して整備を進めるガバメントクラウドにクラウドサービスを提供する事業者が発表され、アマゾン ウェブ サービス(AWS)もその1社として選定されました。
AWSとデジタル庁との直接契約にもとづいてクラウドサービスを提供することで、私たちは最先端の技術や世界のベストプラクティスをいち早くお届けし、日本政府による情報システムのモダナイゼーション(現代化)を支援していきます。また、今後もお客様の声に耳を傾け、パートナーやスタートアップ企業とともに、行政サービスにおけるイノベーションを加速し、日本政府が掲げるミッションのよりよい実現を目指します。
私たちは、デジタル庁および日本の行政機関のデジタルイニシアティブの達成や経済成長の促進、社会課題の解決に向けた支援に重点的に取り組んでいます。日本に公共機関のお客様をサポートする専任のチームを置くことで、日本のお客様やパートナーが求めるイノベーション推進を支援しています。
AWSを含むAmazonグループはこれまで、日本国内におけるサービス提供体制の強化は言うまでもなく、デジタル人材の育成、再生可能エネルギー市場の活性化に向けて、さまざまな投資を行ってきました。AWSとしては、10年前に東京に、今年は大阪に広域データセンター群(AWSリージョン)を開設し、スタートアップから大企業、公共機関、AWSパートナーを含む、数十万ものお客様にご利用いただいています。
最高のセキュリティ基準を継続的に満たす
私たちはまた、お客様のセキュリティと機密性の水準を高め続けるため、長期視点で目的に応じたテクノロジーとシステムに投資しています。AWSは今年3月、日本の「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(Information system Security Management and Assessment Program: 通称、ISMAP(イスマップ))」に登録された最初のクラウドサービス事業者のひとつとなりました。ISMAPは、パブリッククラウドサービスのセキュリティを評価し、政府調達のためのベースライン要件を設定する政府の取り組みです。認証範囲には、合計121のAWSサービスが含まれています。
AWSは、クラウドコンピューティングの情報セキュリティの側面に関するガイダンスであるISO/IEC 27017、クラウドにおける個人データの保護に焦点を当てた ISO/IEC27018、SOC1、SOC2、SOC3 などの、第三者のセキュリティ保証フレームワークに準拠していることを示す、国際的に認知された数多くの認証や認定を取得しています。これらは230 種類以上のセキュリティ、コンプライアンス、および、ガバナンスを実現するサービスと主要機能を含む、豊富なクラウドセキュリティツール群でサポートされています。データの暗号化などに使用するキーを簡単に作成して管理するAWS Key Management Serviceやクラウドベースのハードウェアセキュリティモジュール (HSM) であるAWS CloudHSM、コンフィデンシャルコンピューティングをサポートするAWS Nitro Systemはこうしたツール群のひとつです。
AWSはまた、AWSジャパンのソリューションアーキテクト チームが開発・更新するオープンソースのテンプレート「Baseline Environment on AWS(BLEA)」を幅広く日本のお客様に公開しています。これにより、あらゆる規模のITベンダーが構築する情報システムにセキュリティやネットワークなどの基本的な設定を横断的に適用できます。さらに、Infrastructure as Codeの活用により、クラウド上でのシステム開発および運用の品質向上と効率化が可能となります。本テンプレートの詳細は、こちらのブログをご覧ください。
お客様のデジタル人材育成をサポート
戦略・経済コンサルティング会社のAlphaBetaが実施した最近の調査では、日本の将来需要を満たすには、2025年までに現在の水準から76%増に当たる2,950万人のデジタル人材が必要となることが示されています。
私たちは、IT専門家や開発者、学生にクラウドコンピューティングや機械学習などの最新技術に関する教育機会の提供を通じて日本経済への貢献に取り組んでおり、2012年に日本でのスキルトレーニングプログラムを開始して以来、20万人以上にトレーニングを受けていただきました。現在も、学生や社会人の皆様によるクラウドスキルの習得を支援するために、日本語で提供する220以上の無料コースを含む、さまざまなトレーニング機会を提供しています。
最近の取り組みとしては、若者のプログラミングスキルと創造性の向上を目的とした自律走行ロボットのプログラミングコンテスト「AWS Robot Delivery Challenge」があります。過去2年間で300人以上の学生が参加した約1か月間のオンラインコンテストでは、参加チームがプログラミングした自律走行ロボットを使って、ミニチュアの都市内でチェックポイントを通過しながら貨物を効率的に配達する速度を競います。2021年は初心者部門では東京都立南多摩中等教育学校チーム、カスタマイズ部門は豊田工業高等専門学校 専攻科チームが優勝しました。
持続可能なクラウドと再生可能エネルギー
S&P グローバル・マーケット・インテリジェンス傘下の調査会社である 451 Research の最近の調査では、日本の企業や公共機関がIT システムをクラウドへ移行することで、二酸化炭素(CO2)排出量を 77% 削減することが可能であることがわかりました。AWS は自社の規模を活かすことで、一般的なオンプレミスのデータセンターよりも高いリソース稼働率とエネルギー効率を実現しています。お客様とも緊密に連携し、お客様がAWS上でサステナビリティ目標を達成するための支援をしています。Amazonは、2025年までに私たちが使用するすべての電力を100%再生可能エネルギーで賄うべく取り組んでいます。
この一環として、今年9月には、Amazonは三菱商事と共同で、Amazonの日本での事業に向けて22メガワット(MW)の太陽光発電プロジェクトの電力購入契約(PPA)を締結したことを発表しました。私たちは今後も、三菱商事や日本気候リーダーズ・パートナーシップをはじめとする民間・公共分野のパートナーと連携し、日本の持続可能な開発目標の達成に向けて共に取り組んでいきます。
日本に長期的にコミット
AWSの過去10年間の日本での取り組みは、日本政府と国民の皆様へのAWSの長期的なコミットメントを裏付けるものです。私たちAWSは、政府情報システムとデータのセキュアな管理を支援するという要件に対応しつつ、日本政府と連携して行政におけるデジタルトランスフォーメーションの加速を支援できることを楽しみにしています。