「保護動物の存在を知ってもらうことが、殺処分のない世の中につながります。Amazonの取り組みが、1人でも多くの方々に届くことを願っています」
NPO法人 Wonderful Dogs代表 岩渕友紀さん

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2019年6月にAmazonが始めた 「保護犬・保護猫 支援プログラム」(2021年8月に名称変更)は、支援対象の動物保護施設によって作成された「ほしい物リスト」から商品をご購入いただくことで、それらが支援物資として各施設で生活する犬や猫に届けられる、という仕組みです。支援対象の保護施設は2019年8月現在28カ所で、今後も拡大していく予定です。

保護施設で暮らす犬猫を「ほしい物リスト」で支援

対象施設のひとつ、埼玉県のNPO法人「Wonderful Dogs」では、2010年の設立以降、およそ1500頭の犬を保護してきたとのことです。

「保護施設では、犬を家族として迎え入れたい方が現れた時、その方の状況によってはお断りする場合もあります」と話すのは、同団体の代表、岩渕友紀さんです。

保護施設は、保健所などからレスキューされた犬たちに、獣医師による健康チェック等を施した後、保護施設のウェブサイトなどで「里親募集」を開始します。

Wonderful Dogsでは里親希望者が出たら、まずは「お見合い」をして犬と人の相性を判断し、次に施設の担当者が「家庭訪問」に出向いて飼育に適した環境かどうかなどを確認した後に、「トライアル」で最低2週間のお試し生活をして、問題がなければようやく「正式譲渡」となります。

「里親希望者さんが『飼いたい』と思う犬と、実際に『飼える』犬が違うというケースはよく起こります。譲渡の際には希望者さんの環境をよくヒアリングし、必要な場合はこちらから飼い方のアドバイスをするなどして、ミスマッチが起こらないように細心の注意を払っています」(岩渕さん)

保護施設で暮らす犬猫を「ほしい物リスト」で支援
取材中、支援物資として届いたペット用ベッド。物資は全国から届くという。
保護施設で暮らす犬猫を「ほしい物リスト」で支援
取材中、支援物資として届いたペット用ベッド。物資は全国から届くという。
保護施設で暮らす犬猫を「ほしい物リスト」で支援
取材中、支援物資として届いたペット用ベッド。物資は全国から届くという。

今回の取材中も、ちょうど1件の宅配便が施設に届きました。「保護犬・保護猫 支援プログラム」を通じて贈られた支援物資です。

プログラムが始まって以来、ほしい物リストに登録した商品が、毎日のようにAmazonから届くようになったと岩渕さんは話します。届いた物資は、シャンプーやケージなどの「犬が使う」ものから、タオルをしまう棚、ドッグフードを置くテーブル、掃除用品など、犬の世話をするために「人が使う」ものまでさまざまです。

「支援を希望される方からの『必要なものがあったら教えてほしい』という声は以前からありましたが、いただく側の私たちとしては『このメーカーのこれがほしい』といった具体的な要求までは出しにくいと感じていました。Amazonの『ほしい物リスト』を通したご支援は、まさに今必要なものをいただけるシステムのため、とても助かっています」(岩渕さん)

保護施設で暮らす犬猫を「ほしい物リスト」で支援
Wonderful Dogs代表 岩渕友紀さん

ここ数年で、保護犬、保護猫をとりまく状況は大きく変わってきたと岩渕さんは言います。環境省の調査結果を見ても、引き取られる犬猫の頭数、および殺処分される数は減少傾向にあることがわかります。
※参考:平成30年犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況に関する統計資料

「メディアによる報道などの影響で保護動物に対する関心が高まり、世の中の仕組みが少しずつ変わってきました。Amazonの『保護犬・保護猫 支援プログラム』は、支援が施設運営の助けになるだけでなく、保護動物の存在を皆さまに広く知っていただくきっかけとなるのではと考えています。より多くの方たちが保護動物に目を向けるようになってくれることを期待しています」(岩渕さん)

保護施設で暮らす犬猫を「ほしい物リスト」で支援

保護動物は犬だけではありません。保護猫たちが暮らす「ネコリパブリック」も、今回のプログラムの支援対象のひとつです。アマゾンジャパンの社員の安藤さんは、休日を利用してネコリパブリックの店舗でボランティアスタッフとして働いています。

「多くの方々が動物保護を身近に感じて、殺処分ゼロに近づくことを願っています」
アマゾンジャパン 安藤さん

「もともとは大ケガした猫を自宅近くで助けたのがきっかけで、保護猫に関心を持ちました。調べていくと、多くの猫たちが殺処分されているという現状を知り、ボランティア活動を始めました。私がボランティアとして働いている店舗には、野良猫や多頭飼育崩壊の飼い猫、飼い主の病気や死亡によって保護された猫など、年間およそ30頭がやってきます」(安藤さん)

保護施設で暮らす犬猫を「ほしい物リスト」で支援
ネコリパブリックの様子
保護施設で暮らす犬猫を「ほしい物リスト」で支援
保護施設で暮らす犬猫を「ほしい物リスト」で支援
ネコリパブリック宛てに届いた物資

「保護動物の力になりたいと考えたとき、まずどの施設を支援すればいいのかわかりにくいことに加えて、送ったものがニーズに合っているのかどうかも不安に感じるかもしれません。『保護犬・保護猫 支援プログラム』に参加している施設はこの分野で実績のある機関による審査・選定を受けており、かつ、施設が確実に必要としている物資を送ることができるため、そういった支援者の不安を取り除くことができると思います。

動物保護団体だけではなく、民間企業も積極的に支援活動に参加することで、より多くの方々が動物保護を身近に感じて、結果として殺処分がゼロに近づくことを願っています。支援の方法は色々ありますが、数回のクリックで支援ができる今回のプログラムは、新たな選択肢になると考えています」(安藤さん)

保護施設で暮らす犬猫を「ほしい物リスト」で支援
ボランティア活動をする安藤さん

保護犬・保護猫 支援プログラム」では、動物保護施設で新しい飼い主を待ちながら生活する犬や猫を、Amazonを通じて支援することができます。詳しくはこちらをご覧ください。

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Amazonから広がる「動物保護」の輪

[2020年4月16日追記]
新型コロナウイルスの影響をうけている動物保護施設の支援について
新型コロナウイルスの影響により、多くの保護施設では、譲渡会や見学会などのイベントが中止となり、里親探しやボランティアによる支援が滞ってしまうなど、保護活動に大きな影響が出ています (※) 。里親と出会うまでの期間が長期化する可能性があるため、 Amazonでは、保護犬・保護猫が十分な物資のもとで生活できるよう、動物保護施設と支援者をつなぐ物資支援のサポートを行います。また、期間限定の対応として、支援対象施設の追加掲載を行います。詳しくはこちらをご覧ください。
※公益社団法人アニマル・ドネーション、株式会社シロップによる動物保護施設への聞き取り調査に基づく(2020年4月現在)

[2020年5月3日追記]
新型コロナウイルス感染症による影響と必要とされる支援について、公益社団法人アニマル・ドネーション代表の西平衣里さんと、一般社団法人アニマルハートレスキュー代表の山本りつこさんにお話をうかがいました。「動物保護施設への新型コロナウイルス感染症による影響と必要とされる支援について」も併せてご覧ください。