アマゾンジャパンは同志社大学(京都府)のキャリアイベントに参加し、講演を行いました。このキャリアイベントは、さまざまな企業の理念やビジネスモデルに触れることで、学生が将来のキャリア形成や就職に役立てられるようにと、同大学キャリアセンターによって企画されたもの。2021年9月9日にオンラインで開催され、幅広い学部の1〜2年生、約180名が参加しました。
最新テクノロジーの意義について鋭い意見が続々
講師を務めたのはAmazonの物流拠点である京田辺フルフィルメントセンター(FC)のサイトリーダー(拠点統括)梶山浩史さん。前半ではAmazonの企業理念「地球上で最もお客様を大切にする企業になること」やAmazonのロゴマークの意味、約20年前に設立してからこれまでのアマゾンジャパンの歴史などについて話しました。
Amazonが展開する最新テクノロジーの例として紹介されたのは、米国で展開している「Amazon Go」。Amazonのシェフや地元のベーカリーなどが作る朝食、昼食、スナックなどを販売している店舗です。Just Walk Out Shopping技術により、レジの列に並ぶことなく、店頭でのお支払い手続きも不要。商品を選んだらそのまま店を出るだけで、お買い物が完了します。そのほかにも、自動配送ロボット「Amazon スカウト」とドローンによる自動配送サービス「Amazon プライムエア」という米国で開発中の2つの技術を紹介する動画も上映しました。
梶山さんが「こうしたテクノロジーにはどんなメリットがあると考えるか」という問いを投げかけると、「買い物時間が短縮される」「コロナ禍では人との接触が減らせるし、密も避けられて、顧客にとっても働く人にとっても安全性が高い」など、的確な意見が学生から次々と寄せられました。
共感を呼んだ「ツーウェイドア」の考え方
学生たちが最も強い関心を示したのが、Amazonの行動指針「リーダーシップ・プリンシプル(以下、LP)」と意思決定の際に用いられる「ツーウェイドア」という考え方でした。
梶山さんは、16項目のLPのうち、いくつかを取り上げてその意味や仕事への活かし方を紹介。その中で特にビジネスにおけるスピードの重要性について述べている「Bias for Action」について説明した後に、それに関連して「ツーウェイ ドア」という考え方にも触れました。
「ビジネスにおいて、取り消しが効かない重要な決定が『ワンウェイ ドア』(一方通行の意思決定)だとしたら、Amazonでは『ツーウェイ ドア』(双方向に行き来できる意思決定)のほうが望ましいと考えます。変更できない意思決定をする企業は、時間をかけてリスクを検討した上でチャレンジを諦めてしまうことがある。しかし私たちはある程度のリスクはつきものと考えた上で失敗を恐れず、チャレンジする姿勢を歓迎します。つまり、『ツーウェイ ドア』によってスピード感のあるビジネスが可能になるのです。この考え方は、人生における重要な決断、例えば就職を検討するときにも役立つかもしれません」(梶山さん)
「ツーウェイ ドア」に関して、学生からは次のような意見がありました。
「どんなに重要な決定でも取り消しできるという考え方が斬新で驚きました。こういう柔軟性が、サービスを考える際にも発揮されるのですね。自分も『ツーウェイ ドア』の考え方を身に付けたいです」(理工学部2年生)
「自分が『ワンウェイ ドア』で考えがちだということに気づきました。リスクを考えて不安になってチャレンジを諦めることが多かったからです。これからは『ツーウェイ ドア』の考え方で物事に積極的にチャレンジしていきたいです」(社会学部2年生)
最新テクノロジーが安全な職場づくりに貢献
講演の終盤には、同志社大学京田辺キャンパスの近隣に位置する京田辺FCが登場。
総床面積11万3000平米という広大な敷地をもつ京田辺FCでは、革新的なテクノロジー「Amazon Robotics(ロボティクス)」を導入しています。その様子が動画で紹介され、学生は「ドライブ」と呼ばれるロボットが商品棚を持ち上げて作業員が待つステーションまで移動する様子を目の当たりにしました。
「ロボットがAmazonの従業員のところまで商品棚を間違いなく運んでくる。これによって従業員の負担が減り、疲労軽減につながります。また、小さな携帯端末ではなく、大型モニターを見ながら作業できるので、高齢の方にも作業負担が少ない。そしてモニターには商品画像も表示されるので、日本語に不慣れな外国籍の方にも働いていただきやすくなりました」(梶山さん)
テクノロジーによって働く環境をよりよくする。多くの学生がこの点に関心を持ったようです。「安全かつ効率的に働けることが、お客様によりよいサービスを提供することにつながるのですね」といった感想が聞かれました。
最後は質問タイム。ビジネスについては、「新しいテクノロジーやサービスを導入する際、社内ではどのように情報共有するか」「出品者がAmazonを通して商品を販売する際、商品の管理や保証はどのようにしているか」などの深い質問が続々。また、梶山さん自身には「なぜAmazonに就職したのですか」「働きがいは何ですか」など、就職に直結する質問が集中し、多くの学生が「働くということ」を真剣に考えている様子が伺えました。