Amazonが提供するデバイス製品では、お客様の生活を豊かにするさまざまな機能やサービスをご利用いただけます。パーソナルAIアシスタントのAmazon Alexa(アマゾン・アレクサ)が搭載されたスマートディプレイ、Amazon Echo Show(アマゾン・エコー・ショー)シリーズは、音楽再生や天気予報などの確認はもちろん、離れて暮らすご家族とのコミュニケーションツールとしても活用されています。

ご自身の介護体験をもとに情報発信をするテクニカルライターの和田亜希子さんも、離れて暮らす母親のためにEcho ShowシリーズやRingなど、簡単な設定で手軽にスマートホーム化ができるAmazonのデバイスを実家に導入。ITを活用した親の見守りを数年前から実践されている1人です。

AlexaやEcho Showを離れて暮らす親の見守りにどう活用できるのか? 設定は簡単か? 高齢の親には操作が難しくないか? などなど、Echo Showを「見守り家電」として活用する際のヒントを、和田さんに聞いてみました。

高齢の親が1人暮らしになったことをきっかけにAlexaやEcho Showを導入

和田さんが離れて暮らす親の見守りにAlexaやEcho Showの導入を検討するようになったのは2021年のこと。離れて暮らしていた両親のうち、父親が8月に他界。それが引き金となったのか、母親に見当識障がいという、日付や時間、季節などが認識できなくなる認知症の症状があらわれるようになりました。

「本当は違うのに、診察のある日だと思い込んで、タクシーで病院に行ってしまうことがあったんです。でも予約は入っていないので、結局またタクシーで帰ってくる。そういうことを何度も繰り返すようになりました。病院が少し離れた場所にあるので、タクシー代もかかりますし、これはなんとかしなければと思いました」

ショートカットの女性 テクニカルライターの和田亜希子さん

見当識障がいだけでなく、認知症の進行によって、リモコンや、携帯電話など、ボタンを押して操作する機器の扱いも困難になりました。エアコンが操作できないと、家で熱中症になってしまうかもしれません。実家には月数回帰省していましたが、家にいられない時も、親のサポートをする方法を考えなければいけない。そう思った和田さんは、実家にAlexaが搭載されたEcho Show 5を置くことを決めました。

「Alexaなら、『アレクサ、今日は何日?』と聞けば日付を教えてくれるし、カレンダー機能もあるので、『アレクサ、今日の予定は?』と聞けば、カレンダーに入れている予定を教えてくれます。紙のカレンダーだと予定を書き込んでも、そもそも今日の日付がわからなければ、スケジュールを読み取ることができません。Alexaは日付と予定をひも付けて教えてくれるので、その点をクリアすることができます」

Echo Show 5の画面に表示された スケジュール
ご実家のEcho Show 5 写真提供:和田亜希子さん

スケジュールの入力はお母さんではなく、和田さんが担当しました。

「新しい予定を追加する時はこういうふうにやるんだよ、ということまで覚えてもらおうとすると、母の頭の中がごちゃごちゃになってしまうので、母から予定を聞き取りして、私がAlexaに入力するということをやっていました。そうすれば、母は予定を確認することだけに集中できます。私はこれを、二人羽織方式と呼んでいるんですけど(笑)」

カレンダー機能とともに、指定した時間にAlexaが設定した項目をお知らせしてくれるリマインド機能も大活躍しました。

「デイケアやリハビリのお迎えが来る時間、食事の時間、薬の時間など、さまざまなことをAlexaにリマインドしてもらいました。高齢者は睡眠時間が長いので、時には昼食もとらずに夜まで寝続けてしまうこともあります。『そろそお昼の時間ですよ』『晩御飯はもう食べましたか?』と、寝室のAlexaにリマインドしてもらうことで、忘れずに食事がとれる。生活リズムを整えるのに役立ちましたね」

子育てを力強くサポートしてくれる、Amazon AlexaやEcho Showシリーズの便利な使い方をEcho Show 5(第3世代)を使った動画とともにご紹介します。

安全と体の負担軽減化につながり、Alexaが家電操作も助けてくれる

続いて和田さんは、家電も活用した実家のスマートホーム化に取り組みました。実家の家電はスマートホーム対応製品ではありませんでしたが、Alexa対応のスマートリモコンを使えば、赤外線リモコンで操作する旧式の家電でもAlexaを通じて声でコントロールできるようになります。これを活用することで和田さんのご実家でも、「アレクサ、エアコンをつけて」「アレクサ、テレビをつけて」と声をかけるだけで、家電が操作できるようになりました※1
※1 スマートホームの詳しい設定方法は「Alexaスマートホーム」のページをご確認ください。

声での操作は、お年寄りには難しそうと思ってしまいがちですが、和田さんはむしろ声だからこそいいのだと言います。

「人からはよく、お母様は80歳近いのに、よくAlexaを使いこなしましたねと驚かれるんですけど、逆なんですよ。母の場合は、認知症で何のボタンを押すと何が起こるというのがわからなくなってしまっていたので、リモコン操作よりも、テレビをつけてとか、ボリュームを下げてとか、言葉で言ったことがそのまま反映される方が、考えることが少なく楽だったんです」

照明をつけるために立ち上がるという動作は体への負担が大きく、また部屋の中を歩き回ることで転倒のおそれもあります。運動やストレッチはリハビリの時間に託して、不要な移動は減らしていく。これによって、安全に過ごせる環境を整えました。

Alexaには動画や音楽を再生できるエンタメ機能も搭載されています。和田さんのお母さんが特にお気に入りだったのが、音楽を再生する機能です※2

「自分がCDを持っていない音楽もどんどん流れてくるので、『こんな曲もあったのね』と喜んで、ずっとEcho Show 5で音楽をかけていました」
※2 サービスをご利用いただく際は、別途登録・契約や料金が必要な場合があります。


実際に離れて暮らす親の見守りの役に立った生活に寄り添う活用テクニック

続いて、和田さんが実践した、離れて暮らす親の見守りに役立ったAlexaとEcho Showの活用テクニックを教えていただきました。

離れて暮らす親の見守りのためのAlexaとEcho Showの活用テクニック1:人感センサーと定型アクションで、朝のルーティンと自動化

お母さんがAlexaに慣れていくと、できることも増やしていきました。和田さんが活用したのがAlexaの「定型アクション」。複数のアクションを自動で実行してくれる機能で、例えば、朝起きてEcho Show 5の置いてあるリビングに向かうと、Alexaが入室を検知して※3「●●さん、おはようございます。よく眠れましたか?」と話しかけてくるとともに、今日の日付と予定の読み上げ、リビングの照明とエアコンをオンにする、といった一連のアクションを自動で行ってくれるようにもできます。
※3 人検知に対応しているAmazon Echoの機種は「Alexaの人検知による定型アクションの仕組み」のページをご確認ください。

テーブルの上に置かれたEcho show5 その手前に和田さんのお母さん
Echo Show 5を確認する和田さんのお母さん 写真提供:和田亜希子さん

離れて暮らす親の見守りのためのAlexaとEcho Showのテクニック 2:Echo Showのビデオ通話でバーチャル同居

ディスプレイ付きのEcho Show同士であれば、ネットワークを通じてビデオ通話ができます。和田さんが実行していたのが、朝食時にビデオ通話をつなぎっぱなしにしておくこと。一緒にご飯を食べながら、昨日のリハビリはどうだった? などの雑談を交わし、話題がなくなってもビデオを切らず、テレビを見たり、パソコンで作業をしたり、それぞれの時間を過ごす。遠くにいながら、まるで同居しているように寄り添っているような感覚が安心感を生み、お母さんからの「次はいつ帰ってくるの?」という連絡も減っていったそうです。

離れて暮らす親の見守りのためのAlexaとEcho Showのテクニック 3:スマートドアベルで招かれざる客も瞬時に判別

認知症の高齢者を狙った詐欺や訪問販売も、離れて暮らす家族の心配の種。Ring Video Doorbellを設置すれば遠隔でカメラに映った訪問者の映像のチェックや通話が可能です。お母さんの身に降りかかったいくつかの危機も、和田さんが確認や対応することで回避することができました。

Amazon Alexa 介護
ご実家に設置したRing Video Doorbell 4 写真提供:和田亜希子さん

離れて暮らす親の見守り環境を実現するために必要なアイテムや、導入のヒント

和田さんのお話を聞いて、自分の実家にもAlexaを取り入れたいと思った方もいらっしゃる方もしれません。ここでは、AlexaやEcho Showを使った見守りに必要な準備やアイテムをご紹介します。

AlexaやAmazon Echoを使った、離れて暮らす親の見守りに必要なもの 1:wifiネットワーク

Alexaを利用するためにはインターネットにつなげられるよう、家にwifiネットワークを整備する必要があります。

AlexaやAmazon Echoを使った、離れて暮らす親の見守りに必要なもの 2:Amazon Echoシリーズ

ディスプレイの有無や、サイズまで、さまざまな種類があるAmazon Echoシリーズ。最初に買う時に和田さんがおすすめするのは、コンパクトサイズのEcho Show 5

「最初から大型のものを導入してしまうと、邪魔だと思われて、テレビの横とか、電話の横に置かれてしまうんですよ。そのまま置きっぱなしで使われなくなってしまう可能性があるので、手元に置きやすいサイズ感のEcho Show 5がおすすめですね。安定感もあって、後ろに転がることもないですし。慣れてきたら、8や10など大きいサイズのEcho Showを導入することを検討してもいいと思います」

ピンクの壁の前に置かれたEcho show 5(商品イメージ写真)
Echo Show 5(第3世代)

AlexaやAmazon Echoを使った、離れて暮らす親の見守りに必要なもの 3:Alexaに対応したセンサーなどの周辺機器

Alexa対応の周辺機器を組み合わせることで、離れて暮らす親の見守りに役立つさまざまな家電をAlexaで操作できるようになります。


AlexaやEcho Showを離れて暮らす親の見守りに活用する際のヒント

最後に、AlexaやEcho Showを離れて暮らす親の見守りに活用する際のヒントを、和田さんに教えていただきました。

AlexaやEcho Showを離れて暮らす親の見守りに活用するヒント 1:最初は使う機能を絞って、養生テープにフレーズを書いて貼っておく

一度にたくさんの機能を覚えてもらおうとすると混乱してしまうので、使ってほしい機能を3〜4に絞ることがコツだと和田さんは言います。さらに、よく使うフレーズは養生テープに書いて、いつも座っている席の前に貼り付ける。これで、フレーズを忘れてしまっても安心です。慣れてきたら、少しずつフレーズを増やしていきます。

テーブルに貼られた養生テープにAlexaに呼び掛けるフレーズが書かれている
机に貼った養生テープにフレーズを記入 写真提供:和田亜希子さん

AlexaやEcho Showを離れて暮らす親の見守りに活用するヒント 2:Alexaを使ってもらうには、利便性を実感してもらうことが大事

せっかくAlexaを実家に導入したのに、親が使ってくれないという相談を、和田さんはよく受けるそうです。そこで大事なのが、見守る側、見守られる側、それぞれのニーズを満たすこと。例えば、ネットワークカメラや人感センサーなどで親の様子を見守って安心したいというのは子ども側のニーズであって、離れて暮らす親の立場からすると、まだ見守られる必要はないと思うかもしれません。そんな時、例えば足腰の弱い人であれば、わざわざリモコンを取りに行かなくても声でエアコンを操作できるといった利便性を実感してもらうなど、親と子、双方にとってメリットの感じられる状態にすることが大事だと和田さんは言います。


AlexaやEcho Showを離れて暮らす親の見守りに活用したことで、親子関係が穏やかに、良好になった

最後に、AlexaとEcho Showを活用した見守りについて、和田さんは次のように話されました。

ショートカットの女性 和田亜希子さん

「母が認知症になった最初の頃は、私自身が何かとイライラして、先行きも不安だし、落ち着かない日々が続いたんです。AlexaやEcho Showを導入したことで、親の生活の中でのさまざまな不便な点が解消され、私の不安も取り除かれたので、すごく救われました。何よりうれしかったのは私と母の関係性が良好になったことです。例えば見当識障がいの母は、日付や今日の予定を何度も私に確認してきました。それに対して私がカチンときてしまうこともあって、母はだんだんと電話するのが怖いというか、迷うような状況もあったと思うんですよ。その点、Alexaであれば、何度聞いても嫌な顔をせず答えてくれます。認知症というのは、これまでできていたことができなくなってしまう症状なので、『なんでできないの?』と怒るのではなく、できないことはAlexaのようなテクノロジーにどんどん頼ってしまえばいいと思うんですよ。そうすれば、親も子も心理的な負担が軽減して、いい関係性が築けるようになりますしね」

お互いに無用な負担がなくなれば、穏やかな気持ちで向き合う親子の時間も増やすことができるはず。親の見守りをサポートすることで、親子のコミュニケーションも豊かにする、そんなAlexaAmazon Echoシリーズの可能性が、和田さんの体験談から見えてきました。

見守りの具体的な方法については「「見守り」にEcho ShowシリーズとRingを活用。離れて暮らす高齢の家族をサポートする5つの方法」のページでも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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