Amazonで働き始めて何年になりますか。

2年4カ月です。

どのような理由でAmazonに入社されたのですか。

私はもともと動物行動科学の分野でキャリアを追求していました。その後、紆余曲折あり、最終的にAmazonのお客様の行動科学の研究者になったということです。
子どもの頃から家で飼っていた50種類近くの動物や昆虫の行動を日々観察することが大好きでした。その後、動物の行動学について研究したいと思い、アメリカの大学へ行きました。そのアメリカ滞在中の1998年に、ある友人が見つけづらい学術書も扱っていて便利だよと、あるオンライン書店を勧めてくれたのです。それがAmazonでした。

特に当時の私のような、動物行動を研究している人だけに需要が限られている、珍しい学術書をAmazonが取り揃えていることにとても驚きました。何冊か本を購入した後、AmazonからEメールでこんなメッセージが届きました。「この本を買ったお客様は、こんな本も買っています」と。今でこそ当たり前のことに感じますが、20年前の一行動学者にとってこれは本当に衝撃でした。通常、動物などを対象とした行動学は何十年という観察データの蓄積があって初めてその見解がわかります。一方でAmazonのメールはたった数冊の本の購入だけで次の行動を予測してリコメンドできる。どうしたらこんな情報が提供できるのだろうと思ったのです。どんな方法を使うと、他者の購入決定をもとに、自分に薦めるべき本がわかるのだろう。これがまさに、私がインターネットの潜在力を理解し、Amazonでお客様の行動学を追及したいと思った瞬間でした。

そこからインターネット、消費者行動に興味を抱くようになり、マーケティング分野でのキャリアを始めました。最初に勤務した企業はイギリスの外資系で、そこではグローバル展開している電子部品や半導体のEコマースサイト運営に携わりました。
キャリアは変わっても、実は行動学の本質はそのままマーケティングに活かせるということが分かり、過去の経験・知識から定性・定量データを駆使して、急速にEコマースの売上を伸ばすことができました。その結果、シンガポールやアジアパシフィック地域で別のチャンスをいただくことになり、最終的にイギリスにある本社へ移りました。その後、2011年の大震災をきっかけに帰国し、日本のEコマース企業に3年間勤務した後にAmazonへ入社しました。

仕事と趣味にはどんなつながりがありますか。

基本的に自分の興味がある趣味が仕事になっています。お客様の行動に関する研究を追及できる喜びでしょうね。かつては動物の行動を学び、その動物がなぜその行動をとるかの理由を研究していました。今では、どのような内的・外的要因がお客様の反応を引き起こすかを研究しています。その研究には、Amazonは最高の場所です。