20233月、アマゾン ウェブ サービス ジャパン(以下「AWS」)は、社員の家族を対象にした職業体験イベント「Be an AWS Kid Builder!」を開催しました。小学生の子どもたちが「Builder」(新しく何かを作り出す人材)になることを目指し、将来的に技術職を目指すひとつのきっかけになってほしいという願いを込めて企画されたものです。当日はAWSのボランティア社員のサポートのもと、デジタル技術を駆使して与えられた課題を解決する体験をしました。本イベントは今回が初めての開催となります。

多様な技術職に興味を持つ子どもたちを1人でも多く増やしたい

クラウドやAIなどの急速な技術の進展により社会が大きく変化しています。また一方では、その変化に対応が追いついていないために多様な課題も生まれています。そのような課題の発見・解決や、社会的な価値の創造に結び付けていく資質・能力の育成が求められています。このような状況を受け、AWS社内の有志が集まり、将来の日本を支え、技術を支える子どもたちを1人でも多く増やしたいとの思いから始まったのが今回のイベントです。

本イベントで中心的役割を果たしたのは、昨年AWSに新卒社員として入社したメンバーです。そして彼らの想いに共感したAWS、ADS(アマゾン データ サービス ジャパン)の社内ボランティアメンバー66名が参加し、参加した子どもたち60名の職業体験をサポートしました。

子どもたちの真剣さと笑顔が入り混じるイベント

イベント当日は雨でしたが、イベント会場となったAmazon品川オフィス内のオープンスペースには子どもたちが開場時間前から続々と集まり、子どもたちの元気で楽しそうな声が響きました。受付では大きな声で自分の名前を言う子どもたちもいれば、保護者であるAWS、ADS社員に隠れて小さな声で名前を言う子どもたちもいて、楽しみ半分、緊張半分な様子が見て取れました。

開会にあたり、ソリューション営業統括本部長の渋谷由貴さんがあいさつを行いました。

「DX(デジタルトランスフォーメーション)が求められ、AIをはじめとするテクノロジーがますます進化していく中で、今日イベントに来てくれている子どもたちがきちんと自分で考え、判断して技術を使いこなせるBuilderになることが重要であると同時に、大人の私たちは未来を創っていく子どもたちにその気付きや環境を積極的に提供し、サポートする、楽しくも大切な責任があります。今日がその1つの機会になれば幸いです」

さあ、いよいよIT職業体験のスタートです。

真剣なまなざしでモニターに向かう男の子とその横で見守るボランティア
お客様が抱える課題をしっかり聞いて、問題解決をしていきます

会場には、ボランティアメンバーが扮する仮想のお客様が待つさまざまな職業のブースが設置されています。販売促進を目指すオンラインショップのWebデザイナー、フードロスを削減したい寿司屋、作曲依頼を受けた音楽クリエイター、ペットを探す探偵事務所など。子どもたちは、各ブースでお客様が解決したいと考えているミッションの説明を受けたのち、それを約30分で達成することを目指します。見事にミッションを達成した子どもたちには「ペッキー」と称した会場だけで使用できるオリジナルの通貨が支払われ、3時間のイベント開催中にその通貨を使って、イベント会場中央に設置された雑貨店でAWSグッズやお菓子、飲み物を購入することができます。

イベントが開始されると、会場内マップを手にした子どもたちが保護者と共にお目当てのブースに向かっていき、初めて会うお友達と一緒に順番を待ちます。順番が回ってくると、椅子に座り、お客様が解決したい課題の内容を聞いたのち、お客様に扮する社員のサポートのもと、真剣な顔でパソコンを覗き込み、マウスをカチカチと操作します。しばらくパソコンと格闘したのち、ボランティア社員の拍手が聞こえた瞬間、笑顔がこぼれました。

モニターを見つめる女の子とボランティアの男性
真剣なまなざしで画面を見つめ、お客様の課題に対する解決方法を思案しています

ここで、8つの職業ブースのうち、2つのブースの内容をご紹介します。

ブース例1:「怪盗Peccyからの挑戦状 ~行方不明のペットを探し出せ~」
このブースに参加した子どもたちは、怪盗Peccy(ペッキー)にさらわれてしまったペットを探し出すという「探偵」業のミッションに取り組みました。

「さらわれたペットのリスト」として、さまざまな角度で撮影された社員たちのペットの写真リストを用意し、パソコン上には機械学習プログラムのコードを用意しておきます。子どもたちは、最初にランダムに表れる犬や猫の写真と同じペットの写真を目視で見つけ、最後に、機械学習で見つけ出したペットの写真と比較して、同じものを発見できたか、時間内に何頭一致するものを発見できたかを競いました。

子どもたちは、猫だととても似たものが多く、探すのに苦労し、逆に犬だと形がいろいろあるため比較的見つけやすく、「運がいい!」と喜んでいる微笑ましい姿も見られました。パソコンのエンターキーを押していくだけの作業ですが、子どもたちはパソコンに触れて、操作をしていることも楽しかった様子で、制限時間内ぎりぎりまで取り組んでいました。

シャーロックホームズのような帽子をかぶり、画面に向かう子どもたちとボランティア。机にはパイプやルーペもおかれている
たくさんの写真の中からペットを探す子どもたち

ブース例2:自社商品をPR!「AWS on Air」
このブースでは、子どもたちがライブ配信者として、商品の魅力を発信してもらう仕事を体験しました。

参加した子どもたちは、案件依頼者の菓子メーカーからお菓子の魅力を紹介して欲しいという依頼を受けます。その後、配信する内容を書き、準備ができたら撮影開始です! 社員が用意した本格的な撮影機材を使い、自分の映像、電話番号と商品情報をライブ合成した映像で生配信を行います。終了後は、録画データにアクセスできるURLを受け取り、ミッション完了です。

最初は慣れない作業に頭を悩ませたり、撮影前には緊張の面持ちだった子どもたちも、いざ配信が始まるとスイッチが入ったように、しっかりカメラ目線で話したり、中にはカンペ無しで話しきる子どもたちもいたりと、毎回大きな拍手が起こっていました。また、自宅に帰った後、家族で録画動画を見て得意げに楽しかったと話す子どもたちもいたそうです。IT を使って発信することの楽しさと難しさを、子どもたちそれぞれが感じた職業体験となりました。

ビデオカメラに向かいグリーンのスクリーンの前に立つ男の子。手前のモニターにその姿が映っている
緊張しつつも、カメラの前でしっかりと商品をアピールしています

子どもたちに届いた企画者の想い

開催後には、今回参加した約60名の子どもたち、そして保護者の皆さんからたくさんの声が届きました。

「帰宅途中、『次はいつあるの?』と娘から尋ねられました」「子どもが興味を持って取り組んでいる姿を見ることができてよかったです」「最初は緊張していましたが、帰宅後、嬉々とした表情で家族に出来事を話していたため、良い経験だったと認識しました」「子どもが片鱗ながらも親の仕事や、普段自分が当たり前に使っているサービスの裏側を知るなど、本当に良いイベントだと思いました」

そして、今回参加した社内ボランティアメンバーからも、「とてもいいイベントとなり、参加したお子さんだけでなくご両親も『うちの子、こんなことできたんだ!』『こんなにすぐ覚えられるなんてすごい!』などの声が上がっていたので、すごく良い体験を提供でき、私たちもうれししかったです」といったコメントが寄せられました。

  約半年間、プロジェクトを率いてきた運営チームの堀貴裕さんは、「私自身、小学生時代に IT 技術に触れる機会がなく、大人になってから IT の面白さを体感したので、今回楽しそうに企画を体験する子どもたちの顔が見ることができ、大変うれしく思っています。そして、今回参加した子どもたちと10年後に同じ職場で働けることを願っています」と話しました。

同じく運営チームの鹿野太智さんは、「子どもたちが楽しそうにIT技術に触れている姿がとても印象的でした。この経験が今後の子どもたちの人生に少しでも良い影響をもたらしてくれるのであれば、うれしい限りです」と喜びを表しました。

今回参加した子どもたちが、本イベントの参加をきっかけに技術への好奇心をより一層膨らませ、将来のIT人材として成長していくことを期待しています。また、今回はAWS、ADS社員の家族に限定した小規模開催となりましたが、将来的には一般公開とし、より多くの子どもたちに同様のイベントを届けることを目指しています。

約60人のボランティアたちの集合写真。各ブースのパネルを持っている
たくさんの子どもたちの笑顔を見ることができて、ボランティアにとっても大変楽しい時間でした

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