佐賀県武雄市で中学生を対象に、小児がんをテーマに社会的課題を学ぶ「Amazonオンライン教室」が9月16日に開催されました。9月25日には、東京で開催された国際医療シンポジウム「世界のすべてのがんの子どもを救おう〜2030年までに、小児がんの治癒率を60%以上に〜」をアマゾンジャパンが後援しました。Amazonでは毎年9月、小児がん啓発月間に合わせ、世界のAmazonが一斉に力を合わせ、小児がんの子どもたちとそのご家族を支援する「Amazon Goes Gold(AGG)」キャンペーンを展開しています。この2つのイベントの模様をリポートします。

武雄市の中学生が小児がん専門医に学ぶ特別授業

小児がんを学ぶ中学生のオンライン授業と国際シンポジウムをAmazonが支援
武雄市でのオンライン授業

Amazonは、社会的課題の解決について、コミュニティ活動を通じて積極的に取り組んでいます。鳥栖フルフィルメントセンター(FC)が、ICT教育に力を入れている武雄市教育委員会と、「九州国際重粒子線がん治療センター」(佐賀県鳥栖市)と「NPO法人小児がん・まごころ機構」の理事長である中川原章先生の橋渡しすることで実現した特別授業には、武雄北中学校と川登中学校の3年生約50名が参加しました。

先進国と発展途上国で大きく異なる小児がんの治癒率

AmazonのFCは、小児がんの啓発のために、日本を代表する小児がんの専門医であり、アジアでの小児がんの治癒率向上活動に取り組む中川原先生の活動を支援しています。

小児がんを学ぶ中学生のオンライン授業と国際シンポジウムをAmazonが支援
中川原先生

「小児がんは希少がんの一つです。研究者が少なく、新薬も作られにくいため、治癒率が低いという特徴があります。しかし、日本を含め、先進国では医療従事者、患者さんのご家族、子どもたちを支援するNPO団体などが熱心に取り組んだことで、治癒率は80%にまで上昇しました」

中川原先生は語り、こう続けました。

「しかし、発展途上国では治癒率は、30%以下です。貧困や医療環境の問題から、病院にたどり着けず、診断さえも受けられない子どもがいます。そこで、国連総会が2015年に採択した『SDGs』を踏まえ、世界保健機構(WHO)は2018年に、『2030年までに世界の治癒率を60%以上に上げる』という『WHO小児がん宣言』をしました」と、国際支援の重要性を伝えました。

「日本も50年ほど前は、小児がんのほとんどが助かりませんでした。今では8割が治る日本は、その診断技術と治療経験をアジアの国々で生かすことが大切な役割であり、義務でもあるのです」と、中川原先生は強調しました。

Amazon Goes Goldキャンペーン が子どもたちの目を世界に向ける機会に

授業の最後に、生徒たちは「国連やWHOなどが一丸となって取り組んでいることがわかりました」「治癒率が発展途上国では低く、日本のボランティアの人たちが支援していることがすごいと思いました」「医療の世界的な不平等をなくすために何ができるか、考えていきたい」「発展途上国の人たちを助けていきたい」という感想を述べてくれました。Amazonのコミュニティ活動によって、小児がんの知識がほとんどなかった生徒たちも、中川原先生の熱意に触れ、小児がんについての関心が生まれたようです。

今回のオンライン授業を企画した、鳥栖FCサイトリード(2021年8月末時点)の甲良真一さんは、こう話しました。

「アマゾンジャパンの社内でも、小児がんに対する関心は高まっています。今年は全国のFCに加え、ビジネス部門も参加し、約60か所にまで広がりました。回を重ねるにつれて、小児がんの子どもたちへの応援メッセージにも熱がこもり、従業員の意識が高くなっていると感じます。AmazonのFCは、さらに地域への貢献を推進していきます」

小児がんを学ぶ中学生のオンライン授業と国際シンポジウムをAmazonが支援
鳥栖FCサイトリード 甲良真一さん

アジアの小児がん国際シンポジウムを後援

9月25日に東京・築地の国立がん研究センターで開催された国際シンポジウム「世界のすべてのがんの子どもを救おう」は、国際的には「WHO Global Initiative for Childhood Cancer(WHO GICC) in Tokyo 2021」の名称で呼ばれています。

これまでアジアでは、学会や専門医らによるボランティアチーム、患者支援のNPO団体などが、それぞれの方針で活動していました。シンポジウムでは、それらの学会と団体が協力体制の構築を確認し、治癒向上の目標達成を誓うため一堂に介し、アマゾンジャパンも後援として名を連ねました。

小児がんを学ぶ中学生のオンライン授業と国際シンポジウムをAmazonが支援
国際シンポジウムの様子

シンポジウムでは、中川原先生の基調報告と、WHO代表や国際小児がん学会会長など、小児がんの医療と患者支援に関わる方たちが登壇して、医療関係者と闘病経験者、支援団体代表らによるパネルディスカッションも開かれました。さらに、アマゾンジャパン社長のジャスパー・チャンが、シンポジウムと小児がんの治癒率向上への協力を誓うオンラインメッセージを寄せました。

またシンポジウム中に、武雄市の「Amazonオンライン教室」の様子も、動画で紹介されました。Amazonが力を入れているAGGの活動とその熱意を、小児がんの医療従事者や患者支援者の皆さんに知っていただく機会にもなりました。

中川原先生は、Amazonからのサポートについて、こう話してくれました。

「武雄市のオンライン教室は、とてもよい授業でした。日本では小児がんの子どもが一つの学校に一人はいる計算になります。子どもにとって身近な病気なのです。授業を受けた生徒たちは、小児がんと闘う友だちを思いやり、応援しようという気持ちになるでしょう。9月25日の国際シンポジウムも、WHOが掲げる治癒率向上の目標を日本で広く知ってもらうきっかけになりました。今回、アマゾンジャパンに支援していただいたことは、非常に大きな意義を持ちました。グローバル企業であるAmazonだからこそできたことも多く、とてもありがたく感じています。今後も継続して支援していただきたいと強く願っています」

Amazonでは、これからも世界のAmazonが力を合わせ、小児がんの子どもたちとそのご家族、医療従事者や患者支援者の皆さんを力強くサポートしていきます。

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