「こうした試みが評価されることはとても励みになります。メンバーにはこれからもこうしたコンペに参加してもらい、お客様のためのイノベーションの創出に生かしていきたい」
Amazon社員 山本雄介さん、中川大さん、藤原俊明さん、森岡伸之さん

Amazonでは、新たなビジネスや技術的課題に対する解決方法など、様々なアイデアを競う社内コンペがあり、世界各地から多くの社員たちが応募し競い合う。

ロボティック・オートメーションを用いた商品配送に関する開発を行っているAmazon Roboticsが昨年募集したマシンラーニング(機械学習)の社内コンペに日本から参加し、174の応募チームの中から、タイムトライアル部門で優勝したチームがいる。日本のオペレーション部門で、ビジネスインテリジェンスエンジニアとして勤務している山本雄介さん率いるTeam Ninja(忍者)だ。

山本さんは、データアナリストの社内交流会「JP Kuroko(黒子)」のメンバー数人にこのコンペへの参加を呼び掛けたところ、開発チームに所属しているデータサイエンティストの中川大さん、そしてアプライドサイエンティストで、当時入社したばかりだった森岡伸之さん、そしてJP Kurokoの発起人であり、データエンジニアの藤原俊明さんが参加を表明し、Team Ninjaが結成された。

「実は前年にも中川さんと一緒に、インドで勤務するエンジニアとチームを組んで同じコンペに参加登録はしたのですが、マシンラーニング以外の周辺知識が足りず、課題を提出できないまま終わってしまったんです。その経験から今回は、分野が異なる知識を持った人と組んでみようと思い、社内でシステム開発とデータ分析基盤の整備を担当されている藤原さんと幅広いマシンラーニングの経験を持つ森岡さんにも声をかけました。中川さん以外は、顔は見知っていたもののほとんど直接話したことがなかったですね」と山本さん。

新たな技術にチームで挑む
写真左から、藤原俊明さん、山本雄介さん

今回のコンペティションの課題は、マシンラーニングを使用した動画の解析で、さまざまなシチュエーションの動画を分析し、その速さと正確性を競うものだった。応募期間中作成したデータモデルを何度でも提出することが可能で、締め切りの時点で提出されているモデルが主催者によって審査される。

山本さんたちにとって、マシンラー二ングでの動画解析は初めての経験だったため、手探り状態でのスタートとなった。締め切りまでは残り約4カ月。4人は、それぞれの専門領域からアイデアを出し合い、課題解決に取り組み、週に1度ランチタイムや終業後にその成果を報告し合うことにした。しかし、業務が優先のため、作業がなかなか進まない時期もあった。

「もともと仕事ではないので、できる範囲でやろうというところもあり、気楽な気持ちではいたものの、やはり提出だけは何とかしたいという気持ちになり、最後の約1週間は頻繁にやりとりをして、最後は気合で提出しました」

その結果、総合優勝チームのシステムでは数時間かかる解析をわずか数分で終えることができるスピードと精度が認められ、タイムトライアル部門で優勝を果たした。

「自分たちのPCで動かすことができるミニマムな構成にしたことが功を奏したようです。苦労よりも作業を進めていく過程がとにかく楽しかったですね。報告会ではそれぞれ高いスキルを持っ人たちから各分野の話を聞けるので、本題からそれることもしばしばでした。便利なツールを教えてもらったり、交流することで自分の分野以外の周辺知識を得られたりするなど、自分の業務にも大きくプラスになったと思います」と山本さん。

中川さんは「異なる分野の専門知識を集めること、そしてそれをコーディネートする能力が必要だと感じました。それを山本さんがまとめてくれたおかげでこうした結果を残すことができたと思います」と2度目の挑戦を振り返った。

新たな技術にチームで挑む
写真左から、中川大さん、森岡伸之さん

業務でもマシンラーニングを活用する森岡さんは、「日本でもこれからマシンラーニングが活用される場面が増えていくと思います。日本ではアメリカやインドに比べてまだマシンラーニングの専門知識や成功事例がまだ少ない中で、知識を寄せ合ってこうやって優勝できたことは、とても素晴らしい経験になりました」と入社わずか6カ月で味わった優勝の喜びとチームへの感謝の気持ちを表した。

森岡さんがマネージャーに優勝を報告すると、他のマネージャー陣や社長のジャスパー・チャンからお祝いのメッセージが続々と届いた。

藤原さんは、「こうした試みが評価されることはとても励みになります。JP Kurokoは2016年くらいから開始し、困った時は助け合い、新しいデータ分析手法や開発したツールなどについて情報交換をしてきました。コンペは年々課題が難しくなっていると感じますが、メンバーにはこれからもこうしたコンペに参加してもらい、日本のデータ分析のスキルを互いに高め合って、お客様のためのイノベーションの創出に生かしていきたい」と抱負を語った。

新たな技術にチームで挑む
優勝記念で授与されたパーカーを着て
新たな技術にチームで挑む
パーカーの胸にはAmazon Robotics Machine Learning Challengeのロゴが入っている

Amazon Roboticsについて詳しくはこちらをご覧ください(英語のみのサイトになります)