「世の中の役に立っていることを実感できる、とてもやりがいのある仕事です」
Amazon社員 岡本裕治さん

大学を卒業し、国内の大手企業で法人システム営業を担当していた頃、岡本裕治さんは、自分のキャリアについて、ふと漠然とした不安を感じた。もっと仕事の領域を広げて自分を成長させる必要があると。そこで入社10年目を前に退職し、国内のビジネススクールに入学。アメリカの経営大学院への短期交換留学も経験し、帰国後に日系コンサルティング会社に入社した。しかし、経営コンサルタントとして4年目に差し掛かったころ、そこでもまた疑問を感じるようになった。

「コンサルタントの仕事は、1つの案件にかかわる期間が3か月以内というものも多く、成長戦略などのプランを作っても、最終的な結果を見ることができないものもあり、本当にお客様のために役立っているのだろうかという疑問が次第に大きくなっていきました」

次のステップを考える際に、岡本さんは当時3歳の娘のことを念頭に置き「子どもに誇れる仕事であること、世の中にインパクトがある仕事であること、ビジネスが成長途上にあること」を基準にしたという。そして2013年にAmazonに転職した。

「『地球上で最もお客様を大切にする企業』というAmazonの企業理念、そしてお客様を中心に考えることにこだわるというAmazonの『カスタマー・オブセッション』の考え方が自分の考えに合うと思いました。面接官の方たちに入社理由を尋ねた際に、ほとんどの人がカスタマー・オブセッションへの共感とそれを入社後に実践できていることを挙げていたので、同じ思いを持つ人たちと一緒に仕事をしたいと思いました」

Amazonで最初に就いた仕事は、Amazonが自社で商品を仕入れて販売する「リテール」のチームで、取り扱いがない商品のメーカーや卸売業の企業を探し、新規に取引を開始する仕組みを作ることだった。チームメンバーの採用から携わり、2年後には10人ほどのチームメンバーを持つマネージャーとなり、品揃えを増やす仕組み作りとその改善に邁進した。

そして入社から4年目を迎える頃、岡本さんは次の挑戦に動き始めた。

「成長機会を求めて、より海外チームとの接点が多い環境で経験を積みたいと考えました」

自分から部署異動を申し出ることができる制度を利用して、Amazonの法人・個人事業主向け購買専用サイト「Amazonビジネス」のチームに異動し、配送にかかわる機能・サービスの開発の日本側の責任者として1人でリードする役割を任された。海外の開発チームと日本向けのサービス開始に向けて共同でプロジェクトを進めるため、英語での電話会議や海外出張の機会が格段に増えた。業務内容も専門用語もそれまでと異なる環境に、まるで違う会社に移ったような気持ちになったと岡本さんは言う。

「これまでに経験が無い役割でしたし、英語にも苦手意識があったのである程度は覚悟していたのですが、シアトル側のチームとの最初の定例電話会議では、7割近く何を話しているのかさえもわからなくて、とんでもないところに来てしまったと、その後2~3週間は落ち込むことになりました」

しかし、当時、チームは数か月後に迫るサービス開始に向けて動いていたため、1人で後れを取るわけにはいかなかった。

自分が成長できる環境を求めて
岡本裕治さん

「とにかく必死でした。配送に関連する専門用語や注文受領後の流れを詳細に理解するために、Amazonの物流部門や個人向け配送のサービス開発の担当者に何度も教えを請いました。海外の開発チームの同僚にも、異動直後で何もわからないことを正直に打ち明けて『次からは必ず自分でやるから』と懇願して、日本の開発に必要な資料の作成を助けてもらったこともあります。3か月が経った頃には英語での会議にも慣れ、担当していた機能の導入も成功させ、2017年9月には、Amazonビジネスの日本でのサービス開始をチームで祝うことができました」

昨年、日本のAmazonビジネスのチームでは、日本の社員が短期間シアトルの本社で勤務するプログラムを開始した。開発チームのすぐ隣で、お客様からの要望を粘り強く伝えることで日本向け機能・サービス開発の優先度を上げることを狙った試みだ。岡本さんはチームで2番目の赴任者として、2019年1月から約3か月間、日本を行き来しながらシアトルの本社オフィスで勤務した。

「シアトルでは日本にいた時と同じ業務を続けながら、アメリカとヨーロッパのチームとの会議にも参加しました。また、時差がないことで、開発チームからの質問にもすぐに回答できるため、従来であれば数週間を要していたような課題がほんの数日で解決するようなこともありました。個人的にも、英語でのコミュニケーションの苦手意識が薄れていき、日本の同僚からも、会議での発言が増えたと言われるようになりました。週末にヨガを習い始めたり、妻と娘をシアトルに呼び寄せてオフィス内を見せたりできたのも、とても良い経験でした」

自分が成長できる環境を求めて
シアトルのAmazon本社内にて

現在は、再びマネージャー職に抜擢され、10人のチームを束ねている岡本さん。シアトル滞在中の学びが、仕事に生かせているという。

「シアトルの開発チームの事業本部長に、ある業務について『人員や時間が足りないから今はできない』と話した時に、『ヨーロッパと比べると日本チームは多いぐらいなのだから、優先順位がつけられないと言っているようにしか聞こえない』と指摘されたんです。最初はショックを受けましたが、自分に選択権があるのだと気づき納得しました」

もうひとつシアトル滞在中に気づいたことは、開発チームのリーダーたちが業務や開発の優先順位と目標をメンバーと議論しながら決め、それ以降は、進捗報告の仕組みを含めて、すべてをそれぞれに任せることでチームの方向性を一つにしていることだった。

「自分が以前マネージャーを務めていた時には、業務やタスクの進捗を管理しようとする意識が強すぎたためか、あまりうまくいっていなかったように思います。異動に伴い、マネージャー職から一度離れたことで、今は管理という意識が無くなり、それぞれに任せることができています。その代わりに状況に応じたサポートを行うようにしたことで、以前感じていたやりにくさが解消されました」

自分が成長できる環境を求めて
岡本さんとチームメンバー

積極的に変化の中に身を置き、持ち前の柔軟性で自分を成長させてきた岡本さん。Amazonでの働き方が自分に合っていると言う。

「Amazonビジネスでの仕事は、お客様の生の声を聞けるのがとてもいいと思っています。Amazonビジネスでは、個人がAmazonでショッピングするのとそれほど変わらない感覚で、豊富な品揃えの中から商品を購入し、請求書払いで経費処理できます。ある企業様の導入例では、買い物の移動時間とその後の精算などの事務処理の時間を節約することに成功し、年間9,000時間の工数削減につながったと聞いています。その分の時間と労力を本業に費やすことで、企業様の成長やサービスの拡充にもつなげていただけるのは、本当にうれしいですね。自分がやっていることが世の中の役に立っていることを実感できる、とてもやりがいのある仕事です」

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