社会全体がDX(デジタルトランスフォーメーション)に舵を切る中で、Amazonは日本の企業の約9割を占める中小企業(小規模事業者含む)を支援し、さまざまなサービスやプログラムを通して中小企業のDXを後押ししています。デジタルがもたらす中小企業の変革とは? そして、変革を加速させるAmazonのサポートとは? 連載企画の第28回は、ふるさと納税における自治体のDXとAmazonのサポートを紹介します。
※本記事は、2022年12月15日に日本経済新聞および日本経済新聞電子版に掲載された記事を加筆したものです。
※本記事は、2022年12月15日に日本経済新聞および日本経済新聞電子版に掲載された記事を加筆したものです。
生まれ故郷はもちろん、お世話になった地域や、これから応援したい地域など、納税者が寄付先を選択する制度として2008年に始まったふるさと納税。国民の税に対する意識を高めるとともに、自治体が各自の取り組みをアピールすることで、地域のあり方を改めて考えるきっかけを作るこの制度は、2021年に受入件数が過去最高の4,447万件※に達するなど、広く社会に浸透しつつあります。
今回は、ふるさと納税の寄付入金時の決済方法として、Amazonが提供する決済サービスであるAmazon Payを導入している新潟県燕市役所と、Amazon Payの推進に携わるAmazonの社員の視点から、DXが地方創生や地域活性化にもたらす効果を探ります。
※総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和4年度実施)」
※総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和4年度実施)」
金属加工の街ならではの返礼品
金属加工産業を中心とした、ものづくりの街として知られる新潟県燕市。ふるさと納税の返礼品にも、食器やカトラリー、フライパンなど、金属加工技術を活かした名産品を用意しています。燕市役所総務部総務課でふるさと納税を担当する中山春彦さんは、金属加工の歴史は江戸時代にさかのぼると言います。
中山さん「江戸時代初期に信濃川が氾濫し、農業が不作に陥った際、農家が副業として始めた和釘づくりが金属加工のルーツとされています。和釘で培われた技術が長い年月をかけて磨かれ、金型や研磨、レーザー加工といった特定の分野に企業や職人が分散した結果、燕市全体がものづくりの工場のような形で発展してきました」
燕市役所 総務部 総務課 ふるさと納税係 主事・中山春彦さん燕市では、ノーベル賞の晩餐会用のカトラリーに採用されるなど、海外での評価も高い市内の金属加工技術を発信すべく、2016年に「つばめ産業ブランド創生プロジェクト」を発足。イベントを通じた情報発信や販路開拓、人財育成、IoTの導入などを行ってきました。
中山さん「燕市が持つ金属加工技術の価値を知っていただくイベントを開催したり、ICタグとクラウドシステムを用いて、分業している工程の進捗をリアルタイムで見える化したりと、アナログとデジタルの双方向から支援を行っています」
そんな燕市の返礼品は、厳しい審査を行っている点に特徴があります。
中山さん「燕市の知名度向上につながる魅力性、安心・安全性などを選定基準に設け、さらに技術性や特産性、独自性、希少性などの視点も総合的に照らし合わせ、金属製品の組合、商工会・商工会議所などから集った12名のプロフェッショナルが厳正な審査を行っています」
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Amazon Payの導入でふるさと納税を簡単に
寄付入金時の決済方法として、2020年からAmazon Payを導入しました。
中山さん「燕市では、税金や公共料金を電子決済で支払えるマルチペイメントを以前から推進していたこともあり、Amazon Payの導入を即座に決定しました。導入した最大の理由は利便性の向上です。Amazon Payを利用すれば、Amazonアカウントに登録した住所やクレジットカードといった情報が自動で入力され、わずか2クリックで決済が完了します。ふるさと納税をより簡単に、便利にできることは大きな魅力でした」
Amazon Payのセキュリティにおける信頼度も高いといいます。
中山さん「近年、クレジットカードの不正利用が社会問題化していますが、Amazon Payでの不正利用は燕市では1件も起きていません。Amazon Payを利用して燕市に寄付してくださる方の割合が年々増加しているのは、安心感があるためだと考えています」
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現在、燕市では約3000の返礼品を取り扱い、150の事業者が参画しています。
中山さん「燕市役所では、返礼品の画像を総合サイトにアップロードするお手伝いをはじめ、事業者へのデジタル支援も行っています。コロナ禍で百貨店などへの卸販売が減った事業者にとって、ふるさと納税は大きな支えとなっています」
「ふるさと納税を機にECへ販路拡大する事業者も支えていきたい」と語る中山さんふるさと納税で得た寄付金は、産業振興や教育、福祉、子育てなどの財源として活用され、それ以外にもさまざまな効果をもたらしています。
中山さん「ふるさと納税を通して燕市の知名度が上がったことを機に、今後も燕市を応援してくださる応『燕』人口を増やしていきたいと考えています。加えて、全国の方に燕市を知っていただいたことで、作り手にブランディングや付加価値創造の視点が育まれました。今後も、地場産業の活性化や新しい担い手創出のために、ものづくりの街として情報発信していきたいですね」
利便性を高めるAmazon Payの進化
2022年現在、Amazon Payは10万以上のECサイトに導入されており、ECでの決済時にAmazon Payを利用できるシーンが増えています。そんなAmazon Payが日本でサービスを開始したのは、2015年のこと。立ち上げに関わったAmazon Pay事業本部 シニアマネージャーの豊留隆央さんは、「販売事業者様との信頼関係の上に現在のAmazon Payがある」と言います。

豊留さん「当時、日本ではID(アカウント)決済が現在ほど普及しておらず、日本の市場環境やお客様のご要望に合わせた調整の必要がありました。そうした中で、販売事業者様のECサイトにAmazon Payを導入していただき、お客様に実際にAmazon Payの利便性を体験していただくことが一番の認知度向上につながりました」
当初は、Amazon PayをAmazon.co.jpでのお支払い方法と勘違いされるお客様も多かったといいます。
豊留さん「Amazon Payは、Amazonアカウントに登録した住所やお支払い情報を利用し、簡単、安心、便利に、Amazon以外のECサイトでお買い物が楽しめる決済サービスです。Amazonのお客様が、Amazonを越えてさまざまなECサイトでご利用いただける決済サービスであるという認識を広めることも、私たちの重要なミッションの1つです。また、Amazonのサイト上に日本赤十字社への寄付窓口を設け、多くの方にAmazon Payを利用してご寄付いただいています」
サービス開始以来、Amazon Payはさまざまな進化を遂げてきました。
豊留さん「クレジットカードをお持ちでないお客様のために、Amazonアカウントに登録したAmazonギフトカードでのお支払いに対応したり、コンビニ払い・銀行振込・口座振替が選べるあと払い(Paidy)を導入したりと、お客様の利便性を高めるサービスの提供を心がけています。また、セキュリティ面も強化し、お客様に安心してご利用いただくための改善に繰り返し取り組んでいます」
名産品との出会いを後押ししたい
ふるさと納税ができる総合サイトでのAmazon Payの導入は、2018年から始まりました。
豊留さん「Amazon Payを導入していただくことで、お客様がふるさと納税をより身近に感じ、日本全国の魅力的な名産品との出会いを後押しすることを目指しています。また、結果的に自治体への寄付額増につながることで、寄付金を利用した教育や子育て、医療といったさまざまな行政サービスの向上、文化遺産や自然環境の保護などにも貢献できると考えています」
現在では、5つのふるさと納税の総合サイトを通じて、多くの自治体がAmazon Payを導入しています。
現在では、5つのふるさと納税の総合サイトを通じて、多くの自治体がAmazon Payを導入しています。
豊留さん「新潟県燕市をはじめ、北海道白糠町、山形県三川町、佐賀県上峰町、宮崎県小林市など、Amazon Payを導入いただいている自治体からは、ふるさと納税の際にAmazon Payを利用される方が増えているとお聞きしています。普段からお使いいただいているAmazonのアカウントを使うため、決済時に情報を入力する手間が省けるので、初めて寄付されるお客様でも手続きのハードルが低いのだと思います」
「自治体や中小企業を後押しして日本を元気にしたい」と語る豊留さん返礼品を通して地域の魅力を伝えるふるさと納税に関わっていることは、豊留さんにとって特別な思い入れがあるといいます。
豊留さん「Amazonに入社する以前、職人さんが作るプロダクトを販売するECサイトの運営に携わっていました。そこで感じたことは、職人さんたちが受注処理や返品といったバックエンド業務に多くの時間を奪われているという課題でした。そこで、Amazon Payがバックエンド業務の簡易化に貢献することで、職人さんがものづくりに集中できて、地域の魅力を伝える名産品を多くの人に届けられる。そのお手伝いができていることに大きなやりがいを感じています」
ふるさと納税の締め切りとなる年末には、より関心を高めるために、ふるさと納税の総合サイトと連携してプロモーションを実施しているといいます。
豊留さん「今後も、お客様のニーズに応える進化と改善を続け、地域ブランドの振興やお客様の暮らしが豊かになるきっかけづくりをサポートしていければと思っています。より多くのお客様がお買い物をしやすいよう、努力を続けていきます」
ふるさと納税入金時の決済方法としてAmazon Payを導入し、利便性向上を図る燕市と、さまざまなニーズに合わせて寄付がしやすい環境整備をサポートするAmazon。名産品を通じて地域を活性化させたいという両者の共通した想いは、Amazon Payの活用というDXによって大きな相乗効果を生んでいます。燕市が取り組むIoTやマルチペイメントの推進も含め、地方においてDXが果たす役割は今後も増していくでしょう。













